ここから本文です

バンクーバーの朝日 (2014)

監督
石井裕也
  • みたいムービー 195
  • みたログ 991

2.87 / 評価:844件

じわり。じんわり。

  • ama***** さん
  • 2014年12月21日 3時21分
  • 閲覧数 1328
  • 役立ち度 30
    • 総合評価
    • ★★★★★

野球映画。と言われればそうだけれどそれだけではない。
差別や貧困や戦争を描いたドキュメンタリー。と言われれば
そうだけど何かが違う。
盛大な感動作!と言うと胡散臭くて全然違う。と否定したくなる。

現代でも感じる、
ただただ、日々、生きて。
仕事や学校へ行き、終われば帰る。そしてまた次の日が来る。
家族だからこそ支え合える一方、家族だからこそ切れない絆が重圧になったり。
暗く沈んだり、しんどい、苦しい、辛い、この先どう生きればいいか。
そんな不安や閉塞感を抱えながら、楽しみだってある。
その題材がこの物語では「野球」。
そんな話だった。

2時間ドラマを作れば良かったのではないかという意見もあるが、
この映画に関して言えば2時間ドラマにしてしまうと、
「こういった史実がありました。歴史がありました。」
「差別はいけません。戦争を繰り返してはいけません。」
「日本人とはどうあるべきか。」
などという"呈示"をして説教臭くなってしまいそうな気がする。

観客一人一人が、この映画を通して"生き方"を見てどう感じるのか。
という、自分を見つめ直したり、周りとのつきあい方を見つめ直したりと、
史実ものや野球ものとして敬遠せずに、映画だからこその深みを
素直に味わえばいいのではないかと思える作品。

派手な場面展開や読めるお涙頂戴などはない。
淡々と進むストーリーの中で、じわじわと笑いがあったり、じんわり涙が自然と流してしまう。
そして随所に野球好きが野球への愛を刺激され渇望させられる様な演出は◎。

個人的にはユースケ・サンタマリアの一言が胸に刺さった。
出演している俳優陣が脇すらも豪華すぎて、出演時間に少々疑問を感じるかもしれないが、配役として見れば全体布陣にその存在感がもたらす説得力がある。
徳井優の立ち回りが特に面白い。

上地雄輔がキャッチャー役、そして石井裕也監督が埼玉出身。
ともあれば、やはりどうしてもピッチャー松坂大輔を彷彿としながら観てしまった。
ピッチャーのロイ役亀梨和也のチームメイトに対する態度が、「狙ったんじゃないか?」と思わせる位、ライオンズ時代の松坂大輔の様で、思わずにやり。
あくまでも個人的そう感じたので違うかもしれない。が、一種のピッチャー像である「他の守備とは別の孤高の存在」を、それまで歩んで来た人生や現状の貧困などを交えながら上手く演じていたのではないかと思う。
投げ方も、本来の自分のフォームから映画のために当時のフォームを参考にしてロイ用に変えたというのだから、彼の野球に対する敬意を込めて一人の野球選手を作り上げる役作りには、心から拍手を送りたい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 楽しい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ