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クライマー パタゴニアの彼方へ
2014年8月30日公開

クライマー パタゴニアの彼方へ

CERRO TORRE

1032014年8月30日公開

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3.0

クライマー達の挑戦

クライマー パタゴニアの彼方へ。 とんでもない絶壁をフリー(人工的な道具を使わずに)クライミングする若き挑戦者達を描いたドキュメンタリーです。 こういったクライミングドキュメンタリーには他に『メルー』がありますが、あれよりはじゃっかん門外漢にも分かりやすくなっています。演出家さんがそれなりに技術を持った人だからだと思います。 ただスポーティなドキュメンタリーにありがちなのが、その世界を少しも知らない人間には扉が閉ざされていること。 よく分からない人たち(過去のトッププレイヤーたちだろうと思われる)が次々にインタビューに答えます。 海外のドキュメンタリーのインタビュー癖はすごくって、多分それがウリの一つなんじゃないかと思います。こんなレジェンドたちにインタビューをもらってきたぞ! というのが一つの宣伝になるんじゃないかな。 でもそのインタビューを作品的効果として挿入する意思は非常に散漫で、それがバランスをどう変化させていくかといったところまでは行ってないんじゃないでしょうか。 そういう「作品を創造する」創造者としての視点はこの作品においては薄かったんじゃないかと思います。どちらかと言えば、クライマーたちの偉業を伝えるために作品が創案され、クライマーありきクライミングシーンありきになり、「作品」というのは彼らの偉業を讃えるためのものであり、それを「自作として創造する」という意思は監督にはあまりなかったんじゃないかと思います。 もちろん、監督に才能があれば、特にそういう意識はせずともしっかりと引き締まった見応えのある作品はできあがると思います。昔から作品は「誰かを誉め称える」ためのものでしたし、そういう意味ではアルカイックな作品形態だということになって、貴重なものだと思います。 惜しむらくはこの監督には映画監督としての技量が欠けていること(どちらかといえばパフォーマンス動画などを撮るほうの人だと思います)。 演出もそういった方面に寄りがちになっているので、数々の名画がはびこる映画界に投げ入れて輝けるような作品にはなっていないと思います。 ただそれでもラストのクライミングシーンは一見の価値があります。とんでもない映像になっています。そのため★を1つ上げました。挑戦者たちの勇気と努力に敬意を表します。本当に素晴らしい偉業でした。

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