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靖国・地霊・天皇
2014年7月19日公開

靖国・地霊・天皇

902014年7月19日公開

sir********

1.0

ネタバレ旧来の靖国史観そのまま

 「靖国」の抱える問題を客観的に捉えようとしたのだろうが、捉え方が旧来の靖国史観そのまま。  天皇のコラージュや、合祀された韓国人・台湾人と東條 由布子氏との議論などから見えてくるのは、結局、靖国問題を旧来からの歴史イデオロギー的視点でしか語られていないということ。    靖国問題は日韓の政治問題となっているが、ならば韓国の戦死者の追悼施設はどのようなものなのか? 兵士と指導者は別なのか? アメリカはじめ諸外国ではどうなのか? イデオロギーでは無く、純粋に日本人の宗教観から見てどうなのか? 慰霊とは本来どうあるべきか? 等々、そのあたりが全く描かれておらず、左右両陣営と韓国からの視点でのみ靖国を論評しようとしているので、陳腐な感がする。  客観的に見るのなら、旧来の靖国史観とは別の観点から光を当ててほしかった。  あと、気になったのは、「靖国に合祀しないで欲しい」という朝鮮人戦没者の遺書が登場するのだが、これは実在するのか? 出典を明らかにしてほしいところ。  ただ、在日の舞踏家・金満里さんによるグロテスクで退廃美溢れるパフォーマンスや、暗いムードの演出は「地霊」としての靖国の持つ、日本的な暗い情念の世界を感じさせることに成功している。    

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