4.0点
…あらすじは、解説のとおり。 冒頭、フランスはニースでのトライアスロンのスタート直前だ。 ビーチで大勢の参加者が手を叩きながら、スタートの合図を待っている。 その中にゴムボートに乗っている若者の姿が見えるのだが、なに? で、話しは1年前に遡る。 父・ポール(ジャック・ガンブラン)は雪山のロープウェイの点検員だったが、最近、解雇されてしまっていた。 彼は、美容院で働いている奥さんと、障害を抱えて車椅子生活を送っているジュリアンと、その姉との4人暮らしだった。 ポールは仕事が忙しいことを口実に、ジュリアンのことは奥さんに任せっぱなしだったので、何かとジュリアンとは距離を置いた関係が続いていた。 そんなある日、ジュリアンはガレージで、父が若い頃にトライアスロンに出場していた写真を見付け、また、実際に障害を抱えた息子と父親がトライアスロンを完走したという記事も見付ける。 で、僕たちもやろうよ!と父親に言い寄るのだが、そんな無謀な真似が出来る訳はないと一蹴される。 しかし、ジュリアンも言い出したらきかない。 で、到頭ジュリアンの情熱に根負けしてポールは出場の覚悟を決めるのだが、今度は奥さんが許す筈もない。 こんな経緯の末に、遂にトライアスロン出場を目指して二人の過酷なトレーニングが始まる(専ら父親だけだが…)。 場所はアルプスの近郊だったか?風光明媚な山岳地帯の仲を、自転車を駆って山道を滑空するシーンには癒される。 話しが長くなってきたので、先を急ごう。 いよいよレースの当日になり、冒頭のシーンに移る。 全行程は、スイムで3.8Km、バイクで180Km、ランニングで42.195Kmという途方もない過酷なレースだ。 しかも、息子が乗っているゴムボートを曳行しながら泳ぎ、バイクの前面に息子を載せて自転車を漕ぎ、息子が座っている車椅子を押しながら走っちゃうのだ! 当然、ビリッケツのほうだったが、沿道からは二人に温かい声援が飛び交う。 親父が苦行僧のような顔をして自転車を漕いでいるのに、ジュリアンが居眠りを漕いでいたのは愛嬌か。 で、いよいよゴールが近くなり、制限時間の16時間以内も迫ってくる。 ポール父さんはもうフラフラで、精も根も尽き果てて道端に倒れ込んでしまう。 父さん、あと少しだ、頑張れ!とジェりアンは励ますのだが、父さんはなかなか立ち上がれない。 すると、ジュリアン自らが障害のために動かない手を駆使して、自分だけでもゴールするんだとばかりに車椅子の車輪を回して前進しようとする。 その姿を眼の端に捉えた父さんは……果たして……といった王道的展開が待ち受けているが、十分に一見の価値はあった。 なお、ジュリアン役の若者は、実際に障害のある方を起用したと後で知った。 あっ、そうそう、お母さん役の女優さんは、見る角度によってはキャメロン・ディアスにそっくりで、吃驚したなぁ。