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海街diary (2015)

OUR LITTLE SISTER

監督
是枝裕和
  • みたいムービー 2,648
  • みたログ 1.1万

3.77 / 評価:8,774件

原作を洗濯して汚れを取り除いたような作品

  • inu***** さん
  • 2015年6月14日 5時52分
  • 閲覧数 13377
  • 役立ち度 98
    • 総合評価
    • ★★★★★

原作の漫画が大好きなので、けっこう期待して観に行きましたが、途中何度も睡魔に襲われてしまうほど、退屈な映画でした。

あらすじだけ抜き出すと、ほぼ原作通りです。
しかし、重要な登場人物や設定を、ところどころ端折ったせいでしょうか、原作であれだけ泣かされた「感動」が微塵も無くなっている。

別に原作も大袈裟なエピソードなどはそんなに無く、全体としては淡々としているのですが、読み進めて行くに連れ、「人間が抱えている業の深さ」「生きる事の苦しみや切なさ」「命の尊さ」がジワジワと胸に迫ってきて最後は号泣できる傑作漫画。(吉田秋生さんの漫画はどれもお勧めです)

4姉妹が住む鎌倉の古民家も素敵で、女優さんもイメージに近い、音楽も映像も悪くない、監督も原作ファンで、普通だったら素晴らしい映画に仕上がる筈なのですが、なんでこんなに眠たい映画になってしまったんでしょう。

まず最初に違和感を感じたのが「すず」役の広瀬すずの演技。
見た目も原作のイメージに近いのだけど、なんていうか役に入り切っていない中途半端さを感じました。
すずの同級生も、リアルな中学生らしすぎてただの子供。
三バカの男の子では、肝心の裕也が居ないから大切なエピソードが描けない!
風太は声変わりもしていない普通の子供。
(すずをきちんと描こうとするならば、同級生の描写は重要ですよ!)

すずの姉たち3人も毒気を抜かれたみたいに個性が描き切れていない。
三女は比較的良かったけど、アフロにしないとアフロ店長との釣り合いがとれないじゃない!(そのアフロ店長も、「かつらか?」って感じで中途半端だし)

酒や料理が美味しそうに描けていたかと言えば、そんなこともない。
日本酒って、本当に好きな人ならわかると思うけど、他人同士を結び付ける素晴らしいツールだし、料理もそう。でも描けていない。

リリー・フランキー演じる「福田」は『口は悪いが根は好い人』だったはずが、『単に優しい人』になってしまってもったいない。

原作を知っているので、別に感動巨編みたいなお話を期待したわけじゃないですよ。
でも、原作は(個人的感想ですが)何度読んでも泣けるんです。
病気や死の影に怯えながら、ままならない身体を引きずって、それでも真剣に生きて行く人たちを「個人のできることの限界」を感じながらも、精一杯ささえようとする人々の温かさと挫折感、その繊細な描写が泣けるんです。

そこを描く気がないのなら、映画化の意味って一体何なんでしょうね。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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