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紙の月 (2014)

監督
吉田大八
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  • みたログ 6,156

4.01 / 評価:5286件

★心を揺さぶられる、衝撃的な作品★

  • のんのん さん
  • 2014年11月22日 1時39分
  • 閲覧数 3940
  • 役立ち度 70
    • 総合評価
    • ★★★★★

予告が面白そうだったので、
楽しみにしていた、
本作だったが、レビュー評価が、
微妙な感じなのと、レビューを読み、
後味の悪そうな感じだったので、
期待と、不安な気持ちで、鑑賞!


原作は、角田光代さんの、同名小説。

「桐島部活やめるってよ」の、吉田大八監督作品


バブルが弾けた1994年、子供がなく夫と二人暮らしの、
銀行の契約社員で働く、主婦梅澤梨花<宮沢りえ>は、
大学生平林光太<池松壮亮>と出会い、不倫関係に陥ってしまう。

光太に借金がある事を知った梨花は、銀行の大金を横領してしまう。
ベテランの同僚、隅より子<小林聡美>は、
梨花に、疑いの目を向ける。。。。。。。



真面目で地味な主婦だった梨花が、大金を手にした事で、
生活も乱れていき、どんどん堕ちていく様が、痛々しい。

しかし、その反面、抑圧されていた自己を解放した梨花は、
生き生きして、外見も華やかに、オシャレで綺麗になっていく。

消極的で、暗かった性格も、明るく、大胆な性格に変化して、
だんだん、魅力的になり、輝き始める。

この辺りは、園子音監督作品「恋の罪」の、
神楽坂恵さん演じる、主婦に、似ていると思った。



仕事の事しか頭になく、妻に対して無関心で、
妻の気持ちに、鈍感な夫正文<田辺誠一>
梨花は、そんな夫との結婚生活に、空虚さを感じていて、
鬱屈した不満を、ため込んでいたのだと思う。

原作は、未読だが、内容を調べてみたら、
正文と梨花の夫婦は、セックスレスだったようだ。


そんな冷めた夫婦関係の、日常生活の日々の中で、
若い男性と出会った事で、一気に押さえこんでいた、
欲求に歯止めがきかなくなり、その関係に、
溺れてしまったのかもしれない。


ベッドシーンは、思っていたより、濃厚だったけど、
ここは、さらっと描いてしまったら、梨花と光太の関係の、
リアルな感じが、伝わらないと思うので、良かったと思う。


宮沢りえさんは、真面目な主婦と、堕落した主婦を、
見事に演じ分けて、体当たりの熱演で、素晴らしい!


小林聡美さんは、無表情で、冷静な役柄を演じ切り、
監督が隅役には、小林さんしか考えられなかったそうで、
役柄にはまり、すごく、良かった!



池松壮亮さんは、年上の女性に甘える、
母性愛をくすぐる、役柄にピッタリで、好演!


大島優子さんは、チャッカリして、要領が良く、
小悪魔的な感じで、役柄に合っていて、良かった!

近藤芳正さん、石橋蓮司さん、田辺誠一さん、
キャストみなさん、それぞれ味のある演技で、良い!



「本物に見えるけど、本物ではない、全部がニセモノ」

「行くべき所に、行くしかない」

セリフのひとつひとつが、とても印象的で、心に響く。


ニセモノの幸せ、ニセモノの愛、ニセモノの家庭、

全ては、本物ではなくて、作り物。



キリスト教の、女子高時代の、エピソードは、
その後の、梨花の人生を、象徴している。


朝帰りの梨花が、明け方の、駅のホームに佇み、
月を見上げるシーンの映像が、とても素敵で、心に残った★



小林聡美さんと、大島優子さんの役は、原作にはないが、
この二人の登場が、物語をとても盛り上げていて、良い。

光太は、お金目当てだけで、梨花に近付いたのかと思ったが、
必ずしも、そういう事でも、ないようだった。


梨花と隅は、ある意味、背中合わせの存在、
ひとつ間違えば、隅も梨花の様に、なっていたかもしれない。


隅は正規社員で、仕事にプライドを持っていて、
契約社員の梨花の事を、主婦の片手間で仕事をやっていると、
上から目線で、見下している。


クライマックスの、梨花と隅の、火花が散る対決シーンは、
とても見応えがあり、スクリーンから、目が離せない!


劇中の音楽の、効果的な、使い方も、良かった♪


梨花は、最初はカードを持たないで、現金しか使わなかったが、
カードを持つようになってから、金銭感覚が狂ってきて、
金遣いが、どんどん荒くなっていく。
カードは、確かに、お金を使っている感覚がなくて、
観ていて、怖いなと、思った。



本作を観て、堅実に、真っ当に、生きる事の大切さを感じた。
同時に、あまり真面目すぎる生き方も、良くないとも感じた。


思っていたより、そんなに作品の、後味は、悪くなかった。


スリリングな展開に、作品に、グイグイ引き込まれ、
最後まで、面白く、観られました!


一人の女性が堕ちていく姿に、色々な事を考えさせられた。


心を揺さぶられる、とても見応えのある作品です★

詳細評価

物語
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映像
音楽

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