ここから本文です

MI5:消された機密ファイル (2011)

PAGE EIGHT

監督
デヴィッド・ヘア
  • みたいムービー 6
  • みたログ 67

2.82 / 評価:34件

ビリーマックのスパイ映画

  • mos***** さん
  • 2016年3月21日 8時43分
  • 閲覧数 2019
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

ビル・ナイというとアンダーワールドで地底の支配者のような役をやっていたが、この人が一番印象深かったのは、愛すべきイギリス映画『Love Actually』のビリー・マック役だろう。クリスマスチャートに競り勝って、公約通り、素っ裸で歌う、あの無粋でロートルなロックンローラーである。

たいていの芸人はブレイクまで、膨大な芸能生活をおくっている。そうでないのは一握り。私たちは日毎、スターダムに伸した若手ばかりに目が行くので、俳優の下積みが見えないことがある。
ビル・ナイも最初から年配者だった。
「ビリー・マック」も「アンダーワールドのビクター」も「パイレーツオブカリビアンのデイヴィ・ジョーンズ船長」も。
ビル・ナイはまるで笠智衆のように、はじめて我々の前に現れたとき既に初老だった。
勝手な思い込みだが、仕方がないと言えば仕方がない。

ブロードウェイの「王様と私」で、渡辺謙を目にした外国人は、はじめて我々の前に現れたとき既に禿げていた、と思うだろう。
オーディエンスに役者の歴史は見えない。
でも、さまざまな出演作品によって、その長い芸歴と芸達者ぶりが解ってくる。ビル・ナイもそんな役者である。

『MI5:消された機密ファイル』という邦題がつけられた『PageEight』はイギリスのテレビ映画で、ハリウッドでも成功したレイチェル・ワイズが相手役、スパイ映画と言えば言えるが派手なアクションがあるわけではない。小品だがいい映画だ。

ビル・ナイはMI5の諜報員だが、首相の機密を知った上司の不審な死をきっかけに危地に立たされる。謎の隣人、奔放な一人娘、不審死した上司が離婚した妻のパートナーという不詳な設定もあるが、父親でありスパイでもあるという役をうまく演じていた。
父親・スパイ・一人娘の設定でコスナーの「ラストミッション」を思わせるが、天と地ほどの差がある。見比べると面白いが、個人的にはSMファッションのアンバー・ハードしか記憶にない。

映画でどんな場面を覚えているか?果たして物語の最高潮または劇的なパートなど覚えていない、筋と無関係なデテールを覚えているものだ。
この映画のビル・ナイはコメディ色を排し颯爽としてシリアス、話す・歩く・煙草に火を点ける等の基本動作がいちいち堂に入り、あと20歳若ければもっと有名なスパイ映画でダニエル・クレイグの後釜をはれるのではないかと思わせるほどダンディだが、とりわけ携帯電話を扱う動作が印象的だった。
話し中、指一本で耳に当てる、私もそうやるのでよく覚えている。
ところで本篇のヒロイン、ワイズは現実生活でも、現007の妻をやっている。

デヴィッドリーンの「インドへの道」のジュディ・デイヴィスを久々に見た。30年ぶりだろうか。面影に、どっかで見たとは感じたが、痩身で険があり思い出せず終い。エンドクレジットでおおジュディ・デイヴィスとわかった。アレン作品には常連らしいが、私はウッディアレンを全然見ない。
インドへの道の、知的で美しく夢のようだったジュディ・デイヴィスを思い出した。

ビル・ナイ。しかしこうしてシリアスドラマを見ていてもやはり『Love Actually』の不良ロッカーの印象が拭えない。
ちなみに私はデイヴィ・ジョーンズ船長の扮装でも、ひと目で「おビリーマックだ」と見抜くことができた。
目元だけでわかる特徴的な顔だが、声はもっと特徴的なので蛸の完全な着ぐるみでもバレるだろう。

予定調和で甘いとは思いつつ、繰り返し見てしまう『Love Actually』(2003年英)はスター総出演の群像劇で、どのエピソードも非現実的だが愉快、同じところで同じように笑い、束の間の幸福感を得られる。
『Love Actually』で、冒頭から全編に使われるキャッチーな「Christmas(Love) Is All Around」をずっとWetWetWetの曲だと思っていて、トロッグズという昔のバンドの曲だというのは最近になって知ったのだが、これを見てしまうと、なにしろビリー・マックバージョンが耳から離れない。響きのあるいい声だ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 知的
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ