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ニンフォマニアック Vol.1 (2013)

NYMPHOMANIAC: VOL. I

監督
ラース・フォン・トリアー
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3.22 / 評価:272件

解説

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『メランコリア』などの鬼才、ラース・フォン・トリアーがセックスを題材にして放つ2部作ドラマの前編。幼少時代から性に執着し、さまざまな男たちと体を重ねてきた女性の思春期から20代までの遍歴がつづられていく。ヒロインにふんする『アンチクライスト』などのシャルロット・ゲンズブールを筆頭に、ステラン・スカルスガルド、シャイア・ラブーフ、ユマ・サーマンといった豪華な顔ぶれが集結。実力派である彼らが繰り出すストーリー展開はもちろん、物議を醸した過激なセックス描写にも目を奪われる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

幼少時から自分の性器を意識していたジョー(シャルロット・ゲンズブール)は、15歳の時にバイク好きの青年ジェローム(シャイア・ラブーフ)に処女を奪われる。2年後、彼女は幼なじみのB(ソフィ・ケネディ・クラーク)と共に挑発的な服装で列車に乗り込んでは、男性を誘惑しては関係を持つゲームに興じるなど、過激で奔放な高校生活を送る。やがて印刷会社に就職したジョーは、そこでジェロームと再会。彼に恋心を抱くがほかの女性に奪われ、その反動から無数の男と体を重ねていくように……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMA
(C)2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KOLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINEMA

「ニンフォマニアック Vol.1」女性のセックスを真剣にとらえ、深く心を揺さぶるトリアーにそそられる!

 ラース・フォン・トリアーほど誤解されている監督もいないのではないか。日頃の口の悪さもたたって「人間嫌い」「女性蔑視」などと形容され、人が見たくないものを無理矢理見せるタチの悪い挑発家のように思われている。挑発家なことはたしかだが、その作品をよくよく吟味すれば、彼はアナーキックな“パンク”でこそあれ、決して人間を軽蔑しているわけではないことがわかるだろう。自分も含め、人間のどうしようもなさに限りないシンパシーを感じ、それを理解しようと努めているからこそ、真理を突いた深く心を揺さぶる作品を作り得るのだ。実際「ニンフォマニアックVol.1/ Vol.2」を見ると、誰よりも女性の性(セックス)を真剣に捕え、色眼鏡で見ることなくその本質に迫ろうとしているのに驚きを覚える。

 本作は自ら胸を張って「自分は色情狂だ」と告白するヒロイン、ジョーの物語。ある冬の晩、道に倒れているところを通りがかりの年配の男セリグマンに助けられた彼女は、彼の家で気力が回復すると、その半生を語り始める。どんどん自虐的な壮絶さを増すVol.2に引き換え、ジョーの幼少時の性への関心から、妙齢を迎え男を漁る時期までを描いたVol.1は、むしろユーモラスなトリアー節が展開する。

 たとえばジョーのナンパ体験に、魚釣りの理論を持ち出して大真面目に解説を加えるセリグマン。ジョーの処女喪失を、まるで数学の方程式のようにパターン化して描くシーン。女友だちとチョコレートを賭けて列車の中で男たちを落としていく場面では、男たちが大いに情けない存在に見えてくる。若きジョーに扮したステイシー・マーティンが妖艶に脱ぎまくる以外は、それほどハードなシーンもなく、覚悟してみるとあっけないぐらいかもしれない。

 ラストも連続テレビ・ドラマの「続く」のように唐突で、それが嫌がおうにもVol.2への期待を煽る。ともあれ、シャイア・ラブーフをはじめ意表を突くキャストにも魅せられる、大いにそそられる伏線に満ちた導入編だ。(佐藤久理子)

映画.com(外部リンク)

2014年10月9日 更新

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