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さよなら歌舞伎町 (2014)

監督
廣木隆一
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3.23 / 評価:879件

一度失敗した人たちがたどりつく街

  • bwa***** さん
  • 2021年3月4日 20時35分
  • 閲覧数 397
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

歌舞伎町といえばヤクザと風俗のイメージでしたが、ラブホテルというどこか日常も感じられる異空間を舞台にしているところはとても良いセンスだと思いました。隣には大久保があり、韓国の方との生活も近くリアルだなと思いました。
「さよなら歌舞伎町」というタイトル通り、この街に夢をもって来ては去る人々を描いています。というよりどこかで一度失敗した人たちがたどりつく街。それが歌舞伎町かもしれません。
主人公の高橋徹(染谷将太)もお台場の一流ホテル勤務を夢見ていたものの、現実は新宿のラブホテルに勤務しています。
そのホテルを利用する人々とそこに勤務している人々。
デリヘルにAV撮影に不倫現場。素性が分からなくても溶け込んでしまえる不思議な空間です。

このラブホテルにAV撮影のチームが撮影に現れます。そこには徹の妹の高橋美優(樋井明日香)がAV女優としているのを見つけてしまいます。
「私ユニクロの服でも、前は買うか買うまいかお店の中何度も行ったりきたりしていたの。でもね今は1万や2万の服ならすぐ買っちゃう。お金がないなんて考えられない。AVはちゃんとした仕事だよ。だから罪悪感はないよ」「じゃあおやじとおふくろにAV女優やってるって言えるの?」「言えない」「お前さ仕事は辞めろよ。親に言えない仕事するなよ」

韓国人のデリヘル嬢のイ・ヘナ(イ・ウンウ)が韓国に帰ることになった時に「ここでの全部忘れるつもりだから」と言います。
記憶から消し去りたい現実なのでしょう。
最後の客に恋人のアン・チョイス(ロイ)が現れます。最初は目隠しをされていて気が付きませんが、浴室に入って身体を洗われているいる時に恋人と気が付きます。
「洗って。私の身体をきれいにして。落ちないかもしれないけど。洗って」とデリヘル嬢は言います。長回しのこのシーン。とても良いです。

ホテルの従業員として働いている里美(南果歩)は傷害事件で手配中の身です。こういう犯罪者が身を隠す場としても適格な場所なのでしょう。
このラブホテルに夫も子供もいる刑事 藤田理香子(河井青葉)と同僚の新城竜平(宮崎吐夢)が不倫関係をするために訪れます。そこで里美を見つけて逮捕しようとします。
この刑事がここに登場する人物の誰よりもスケベで、激しいセックスシーンを演じていたのが面白かったです。普段真面目な人ほどスケベなんだなと思いました。

歌手デビューをするために音楽プロモーター竹中(大森南朋)とラブホテルに訪れる徹の彼女の沙耶(前田敦子)。徹は入店を目撃しますが、止める事の出来ない徹。
お湯が出ないとの事で部屋を訪れる徹に沙耶は徹がお台場のホテルに行くと嘘をついていた事を怒ります。何で嘘をついていたのかを怒る沙耶です。「枕営業なんてやってんじやねぇよ」徹は言いますが、「何が悪いの」と逆に言われてしまいます。
次の日「枕営業」にこだわっている徹に沙耶が「ちぃせぇよ」と言います。自分の彼女がデビューするためとはいえ、プロモーターと身体の関係を持とうとする事にこだわらない方がおかしいと思います。
この街はそんな人間の感情をもマヒさせてしまう街だと思いました。

逆にまともに見えたのは風俗スカウトの早瀬正也(忍成修吾)と家出少女の福本雛子(我妻三輪子)です。何日も風呂にも入っていない雛子の素性を聞いた正也はこの仕事から足を洗うために、ヤクザ仲間から制裁を加えられたあと雛子を迎えにきます。
まともな生き方はしていないのですが、この二人には幸せになってほしいと思いました。

徹が田舎の塩竈に帰るバスに妹の美優も後部座席にのっているのが印象的でした。

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