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くるみ割り人形 (2014)

監督
増田セバスチャン
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2.98 / 評価:64件

解説

チャイコフスキー作曲の名作バレエを基にサンリオが1979年に製作・公開した人形アニメーションに、CGや3D加工、色彩処理を施し新たに作り上げたファンタジー。原宿カワイイ・カルチャーの第一人者として知られ、きゃりーぱみゅぱみゅの美術などを手掛けてきたアーティスト、増田セバスチャンが初めて監督を務める。声優陣には、『思い出のマーニー』で声優に初挑戦した有村架純が主人公クララ、その相手役の将校を松坂桃李が演じるほか、広末涼子、市村正親ら豪華キャストがそろう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

雪が降る晩、とても大事なくるみ割り人形がネズミの大群に持っていかれてしまった少女クララは、ネズミを追ううちに、いつの間にか人形の国に足を踏み入れる。そこで彼女は、ふたつ頭の白ネズミの女王の呪いによって眠らされたお姫様と出会う。呪いの解除をめぐって起こった人形とネズミの戦いに巻き込まれたクララは、大切なものを守るため命懸けで奮闘する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)1979,2014 SANRIO CO.,LTD.TOKYO,JAPAN
(C)1979,2014 SANRIO CO.,LTD.TOKYO,JAPAN

「くるみ割り人形」35年もの歳月を遡及する増田セバスチャンとサンリオとの出逢い

 1979年、サンリオ創設者で現社長である辻伸太郎が自ら脚本を書き下ろし、実写アニメという1日たった3秒の撮影しかできない手法を取ったがため、5年もの歳月と7億円もの巨額製作費を費やしたサンリオアニメ「くるみ割り人形」。そして、その名作を元とし、kawaii文化の第一人者の増田セバスチャンが初監督、3D映画として完全にリ・クリエイトしたのがこの作品。

 原作はP.I.チャイコフスキーの不朽の名作バレエ「くるみ割り人形」とE.T.A.ホフマンの「くるみ割り人形とねずみの王様」。バレエ/演劇史上、度重なる解釈がなされ、そのつど演出や主題が変化し、つねに変容し続ける作品。ホフマンの日本語版を訳した種村季弘にして「善悪、美醜、エレガントで胡散臭い、それらが未分化であり、両方であるのが“子供の世界”」と言わしめた原作。

 劇中、クララは時計修理師であるドロッセルマイヤーさんから不恰好なくるみ割り人形を譲り受ける。しかしその人形がネズミたちによって連れ去られ、クララはドロッセルマイヤーおじさんをの幻影を追って古時計の中に入り込んでしまう。そこには人形とねずみの戦争や時のない村、マルチパン王国などを経て、くるみ割り人形にまつわる過去を知り、「本当の愛」を証明していくクララの成長物語がある。それに増田セバスチャンのリ・クリエイトが加わることにより、さらに夢と現実、善と悪、生と死、デジタルとアナログがより混在し未分化になる。

 すでにそこにある物事の事象から過去を求めて遡及すること。クララが手元にある未完成の人形からその過去を遡及し、自分の物語を紡いでいくように、すでに35年前に製作された実写アニメを出発点とし、そこから限りなく遡及して、自身の作品を作り上げてしまう増田セバスチャンの手法。描かれている物語と製作の姿勢がこれほど一致している作品も多くはないだろう。(ヴィヴィアン佐藤)

映画.com(外部リンク)

2014年11月27日 更新

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