2014年11月1日公開

無知の知

1072014年11月1日公開
無知の知
3.4

/ 10

10%
40%
40%
0%
10%
作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

2011年3月11日に起きた東日本大震災、そして福島第一原子力発電所の事故。映画監督の石田朝也は原発に疑問を持つとともに、自分が原発のことを何も知らないことに気付く。そこで石田は、福島に暮らす人々、元総理大臣の菅直人や元内閣官房長官の枝野幸男ほか当時の内閣関係者、原子力工学の第一人者などにインタビューを敢行。あの当時の様子や未来のエネルギーについて質問する。

シネマトゥデイ(外部リンク)

本編配信

スマートフォンご利用の方はアプリから視聴できます。

予告編・動画

作品レビュー(1件)

勇敢12.5%不気味12.5%パニック12.5%恐怖12.5%不思議12.5%

  • mus********

    4.0

    自分で歩いて、自分で見つめる「原発」

    本作を撮った石田朝也監督のスタンスがいい。 福島のおばちゃんたちと話をする時も、菅直人元総理と話をする時も、相手に対する距離感は変わらない。やはり、3:11のまさにあの時、総理であった菅直人氏、官房長官であった枝野幸男氏へのインタビューは興味深い。 事故発生の直後、首相を補佐する、危機管理の対策室が立ち上がる。だが、その指揮に当たるトップは、経済畑の官僚であり、原発の知識は、ほぼゼロであったという。「はぁ?!」である。 当時の官邸、菅首相は、事故が起きた原発の、最前線の情報を求めていた。当然の話だ。だが、せいぜいテレビのニュースで、現状がうかがい知れる程度であったらしい。”キレ菅”の異名を持つ菅首相は、まさに、キレて、福島の現地へ乗り込んだ。これがのちにマスコミのバッシングのネタになる。 福島原発の現場指揮所は、まさに大混乱していた。一分一秒ごとに、原子炉の状況は変化する。そこに内閣のトップが来るなんて事は、余計現場を混乱させる事は明らかである。しかし、現場のトップである吉田所長は、貴重な時間を割いて、首相に会い、現状を説明する。東電の吉田所長から、直接説明を受けた菅総理は「ああ、やっと、ちゃんと原発の話ができる人と会えた」とホッとしたという。また、本作で驚かされるのは、東電の政府への対応である。 福島第一原発と東電本社には、実は、映像のホットラインがあった。リアルタイムで現場の責任者と、テレビ会議ができる体制があった。ところが、そのシステムは、隠されていたのだ。しかも、「もう、危ないから、原発ほったらかして、逃げます」と、東電は言い出すのである。これはのちに、政府の要請で、東電の現場スタッフは、ほとんど決死隊の覚悟で現場にとどまることになる。さて石田監督は、原発推進派の人たちにも意見を求める。ある人物が言うには 「実はね、原発を推進してる人も、これこそ、日本のためになるんだって、信じてる。同じように原発を反対する人も、我こそは正義だ! 我こそは日本のためだ、と信じてる。お互いが『日本のため』で対立してるんだよね」 誰もが、より良い暮らしをするためには、原発が必要なのか? 要らないのか? なぜ、「正義」同士は対立しあうのか? 実は福島に住む人たちは、複雑な事情を抱えている。福島原発は一大城下町を築き上げていた。原子力発電のおかげで、雇用が生まれ、地域の経済は潤い、各家庭のお財布は豊かになった。いまさら、「原発反対!!」なんて、大声出して言えた義理じゃないのだろう。地域に住む人たちは、紛れもなく、原発事故の被害者であるものの、しかし、今まで生活を支えてくれたのも、まぎれもなく「原発」だった。地域の繁栄は「原発」がもたらしてくれた。 ところで、僕が不思議に思うことがある。マスコミはなぜ、菅直人を叩いたのだろうか? 叩くことによって、それで得をするのは誰なのか?  僕と違って「お利口さんな人たち」は、そんなこと、すぐ分かるはずだ。 お陰様で、自民党政権になり、アベノミクスのおかげで、いまや日経平均株価はついに2万円の大台(2015/4/23現在)に乗った。 もう、笑いが止まらないほど、儲かっちゃっている、一部の人たちがいるのだ。それはまさに「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉を思い出させる。 しかし、避難を続けている14万人の人たちは、今も、故郷に帰れないでいる。 原発に関係した事で、僕には今でも忘れられない体験がある。 2012年6月23日、僕に、東京在住の知人から、一通のメールが送られてきた。「いま、総理官邸で大変なことが起きてます。Youtubeで見てください!!」僕は指定されたアドレスの映像をパソコンで見た。タクシーの車内から、素人が撮ったと思われるビデオだった。タクシーは首相官邸を一周した。ビデオは一般市民たちが総理官邸をぐるりと取り囲んでいる様子を撮影していた。手に手に、「原発反対」のプラカード。僕はその日のテレビのニュースを片っ端から見た。翌日もニュースを見た。しかし「首相官邸をデモ隊が取り囲んだ」という、驚くべきスクープは「一秒も、そして一行も」メディアで語られることはなかった。大手マスコミが、この、市民が自発的に行ったデモを最初に報じたのは、僕がメールをもらってYoutubeを見た、その一週間後である。 どのテレビも、どの新聞も、この件については、一週間の間、固く、かたく、口を閉ざしたのだ。僕はゾッとした。 「この国ではまだ”大本営発表”がつづいているんだ……」 政党などの組織的動員ではなく、子供を持つ、普通のお母さんや、お父さん、一般市民たちが、初めて自発的に、総理官邸をぐるりと取り囲んだ、あの驚愕の日。なぜ、大手マスコミは一斉に口を閉じたのか? 石田監督に是非「記者クラブ」という「パンドラの箱」を開けて欲しいものだと思う。

スタッフ・キャスト

人名を選択するとYahoo!検索に移動します。


基本情報


タイトル
無知の知

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日