くだらないけど、おもしろいエピソード満載
- 山下晴代 さん
- 2015年2月10日 6時57分
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ジョニー・デップというのは、人気者なのか嫌われ者なのかよくわからない(笑)。嫌いという人も多いような気がするが、フィルモグラフィーを見るかぎり、充実した映画人生を送っている。嫌われる原因は、この「へたれゆるキャラ好き」「女ずき」(実人生で?)体質ゆえか。ジム・ジャームッシュの映画で演じた詩人などなかなかよかったが……。実際は、どんどんクセのある役ばっかりになっていて、極めつけが本作である。はじめから、くだらないのはわかっている。おバカなのもわかっている。ココロザシが低いのもわかっている映画である。私はそういう映画がすきなんである(笑)。だから、とくにパスしようとは思わなかった。
しかし、実際、かなりのスピードでハナシは進み、絵画が絡んでいるが、なにがなんだかわけのわからないうちに、終わってしまった、という映画である(笑)。原作は小説であるそうだが、ことさら漫画チックを意識している演出も、悪くないと思う。とくにいいのは、「美人妻」役のグウィネス・パルトローである。台詞回しがいいし、頭の回転も速そうで、しかも、スタイル抜群、ファッションセンスも抜群で、今回の映画、パープルのラルフローレン風ジャケットにチェックのミニスカートもいいし、ベージュのクロップド・レザー・ジャケットにネイビーか黒のストールを巻き、ぴったりしたベージュのパンツスタイルも、黒のジャケットに、首回りが深く開いた黒インナーも、オークション会場の衣装としては、気品があってよくあっている感じがした。すなわち、TPOをわきまえたファッション展開がすばらしかった。
かてて加えて、ユアン・マクレガーのMI5の刑事。大学時代からずっと、この「美人妻」に片思い。そんな純な雰囲気も板についていた。かてて加えて、モルデカイの用心棒、ポール・ベタニー。映画では異形のような役でよく見かけるが、実際は、イギリスの舞台で鍛えた俳優であり、ジェニファー・コネリーの夫である。この人がまた、「絶対死なない」用心棒をうまくこなしている。そして、ジェフ・ゴールドブルムの、「クランプフ」なるアメリカの大富豪。スノッブでリッチな役柄が多いような感じだが、長身かつ鼻声、黒眼鏡で、決まり!なのか? そのほか、オークション会場の詳細とか、そういう、主役+主ストーリー以外が魅せる、ヘンな映画であることは確かである。
学生時代(オックスフォードである!)のエピソードとして、マクレガーが、グウィネスの部屋のドアを開けてしまうと、ベッドには金髪のデップが下に、その上に裸でまたがっていたグウィネスがあわてて胸だけ手でかくし、何食わぬ顔でマクレガーを見る、そういうシーンがいかにもとぼけていておもしろかった。そんなシーンは満載なのである(笑)。
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