中国の夜の電車は、乗りたくありましぇん!
- fg9***** さん
- 2017年4月28日 16時41分
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…第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞(作品賞)と銀熊賞(男優賞)の2冠に輝いた秀作とあったので、愉しみに観る。
…あらすじは、解説のとおりだけでいいだろう。
1999年、中国の華北地方で、男性のバラバラ死体の断片が複数の場所で見つかる猟奇殺人事件が発生。
やがてトラック運転手の兄弟が事件の容疑者として浮上するが、銃撃戦で兄弟は即死し、事件の真相は未解明のままとなる。
それから5年後。
かつて事件を捜査し、いまや民間の警備員となっていたジャン(リャオ・ファン)は、元同僚の刑事から、最近同様のバラバラ殺人事件が起きたと聞き、5年前の被害者の若き妻、ウー(グイ・ルンメイ)の身辺を洗う決意をする。
評論家筋からは随分と評判が良いようだが、冒頭、ジャンが元妻を昼間の駅のホームで押し倒すシーンから、この男がガサツ過ぎてついていけなくなってしまった。
また、兄弟が事件の容疑者として浮上するが、銃撃戦で兄弟は即死する場面もなかなか衝撃的ではあったが、警察の対応がお粗末過ぎて、なんだかな~だった。
1999年から5年後に移る場面は、「トンネルを抜けたら、そこは雪国だった」的な展開はなかなかシュールだったかな。
で、多少ぐだぐだした事件の顛末を自分なりに整理してみた。
もし、正しければネタバレになってしまうが、結論から言ってしまうと、 1999年の殺人事件の犯人はクリーニング店員のウーで、客から預かった皮のコートを傷付けたと因縁を吹っ掛けられ、その代償にセックスを強要されていた。
思い余ったウーはその男を刺し殺してしまったので、それを隠蔽するために、彼女の夫がその男の死体をバラバラにして、各方面別々行きの貨物列車に投げ捨て、序でに自分の身分証もくっ付けて、さも自分が殺されたかのように偽装工作していたのだった。
で、ウーの夫は身許を偽りながら、陰ながら彼女の身を護り、彼女にちょっかいを出そうとする男を殺して、5年前と同じようにバラバラ死体にして遺棄していたのだった。
この彼女の夫というのが不気味というか……いや、大胆無遠慮な奴で……でも、到頭ジャンに尻尾を握られて……トンずらしようとしたところをポリ公に射殺されておっちんでしまう。
で、これはシメシメと思ったウーは、5年前のバラバラ殺人事件の犯人を夫に擦り付けよう思ったが、ウーさんよ、それはないぜよ…とジャンに諭されて、遂に、ウーは……といったストーリーで、ネタバレになってしまったかどうかは定かではない。
こうして書いてみたら、なかなか面白そうな気がしてきたので、もう一度観てみようかしらん?
でもなぁ、ヘンテコなダンスやら、白昼の花火攻撃やらは、ジャンのウーに対する遣る瀬無い?気持ちをそれなりに表現したかったのだろうが、チョットなんだかな~で、そもそもジャンの無精ったい髭が癇に障るのであって、また、ジャンに白い息を吐かれても呑兵衛の酒臭い腐臭が漂うのであった。
なんだか無理ムリに嫌いになろうとしているような文章になってしまったが、審美眼に欠けている自分にとっては今一つ乗り切れない作品だった。
それはそうと、中国の夜の電車は、薄暗くて怖くて乗りたくありましぇん!
ウーを演じたヒロインのグイ・ルンメイは『海洋天堂』以来のご対面だが、随分と色香の匂う、儚げな佇まいが似合う素敵な女性になっていたな。
見る角度によっては波瑠に似ているように感じた。
イイんだか、ワルイいんだか曖昧な感想になってしまったが、一見の価値はそれなりにあった。
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