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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) (2014)

BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)

監督
アレハンドロ・G・イニャリトゥ
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3.37 / 評価:2,951件

☆今作の低評価の意味☆

結論から言えば、☆満点!
低評価の嵐の中でも、敢えて声を大にして、
『凄い映画を観たぞ!(観る人を選ぶけど・・・)』
と、堂々と、言いたい。

正直、観終わった直後なので、
かなり、興奮と混乱しています。
乱筆、乱文になることをご容赦の程を・・・。

誤解して欲しくないこと。
先ずは、アカデミー賞の映画のいい映画の意味と、
一般的な娯楽のいい映画とは、
全く、別の価値観であると。

そもそも、アカデミー賞というのは、
映画を沢山観てきた、映画のプロが選ぶモノ。

映画のプロが選ぶモノは、
新しい価値観やイマジネーションを感じられるモノをベースに、
その年の情勢や世相を加味して選ばれるモノ。
所謂、大作やドタバタを好まれる一般大衆が求める、
いい映画というのは、価値観が異なり、論外であるということ。

だから、アカデミー賞を獲ったからと言って、
いい映画だろうという安易な発想と、
娯楽目線で見るとイタイ目に遭うというもの。

そう言えば、今作の映画配給は、
インディペンデント系映画を配給しているのは、
フォックス・サーチライト。
親会社である、20世紀フォックスが配給していないのがミソ。

そして、映画というのは、大衆主義で娯楽だけでなく、
映画を通じ、イマジネーションを感じ、世界観を拡げるもの。
それがこれから先の映画の歴史の糧となるもの。
これも映画の重要な使命であると思います。

今作は、挑発する映画であり、
刺激的であり、前衛的であります。
そして、映画の神髄である、
新しきイマジネーションと、世界観を拡げてくれた、
滅多にお目にかかれない映画であると、私は思います。

予告編で流れた、ナールズ・バークレイ『Crazy』は、
本編では流れません。
それより、刺激的で挑発的な曲がこの映画にはあります。

冒頭の、気高いドラムと、神経を逆なでするストリングスとの、
不穏さを感じさせるオープニング。
全編、ワンカットの様な撮影演出を通じた、臨場感を通じ、
主人公のリーガン・トムソンの葛藤・苦悩を、
同じ目線で見てもらいたいかの様な演出。
そして、リーガン・トムソンの現実と虚構が入り混じった、
クレイジーな世界観。
訴求力としては、私的に申し分なし。

そして、この映画の神髄は、
これらの演出を通じた、クレイジーな世界観だけではありません。

私的には、根底にあるのは、
今のエンタメに対する、痛烈な皮肉であり、
自虐的な内容ではないかと。

某ヒーローネタを通じた、
大衆受けする映画制作が優先で、
クリエイティブ(創造性)を失いかけている今のハリウッド。
芸術優先で、これも、クリエイティブを失いかけている、
今の、ブロードウェイ。
そして、ハリウッドとブロードウェイの反目関係に対する皮肉。

新しきモノより、既存の価値観の延長線上で、
モノ書き、評価ができないマスコミ達。
それに踊らされている、盲目的な大衆。

既存の価値観から一脱せず、
新しきモノに対する批判そのものを、
今作は、ブラックに見せていると思います。

そういう点で、リーガン・トムソンが舞台で見せた、
虚構と現実のアレは、
正に、既存の価値観の皮肉と私には見えるのです。
そして、ラストは、様々な解釈を感じ、
この映画を深く感じ、ニヤリと感じます。

現時点、一般世界では、今作は低評価です。
興行収入も期待はできないでしょう・・・。
残念ながら、今の日本の映画が求めるモノとは違う様です。
ある意味、低評価は正解かもしれません。

しかし、私が思うに、
この低評価は、今の日本の映画に求めるモノが、
新しきモノを否定し、既存の価値観の延長線上で、
楽しむことができないという現実を見せている様に思えます。

理解できない、解らないというのは、
想像性がなく、柔軟性がなく、
この映画のタイトルの一部である無知であると暗に認めている証。

映画通を気取ってという批判の裏は、
これも、映画を知らないという、無知の証の様に思えるのです。

こういう映画のタイトルをつけた、
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、
このタイトルをつけた意味は、
こういう挑発的な意味合いがあったのかもしれません。

同時に、無知だからこそ、
既存の価値観を打破する力があるというもの。
主人公のリーガン・トムソンの行動と結果の
意味合いもあるのかもしれません。

想像性、創造性、柔軟性がもたらすもの、
例え、前衛的でも、メッセージは上記の様に解釈しました。
正解かどうかは定かではありません。
しかし、そういう想像を拡げさせる映画も、
絶対に必要ではないかと思います。
それが、映画を進化させ、
世界を拡げる礎であると、私は思うのです。

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