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くちびるに歌を (2014)

監督
三木孝浩
  • みたいムービー 650
  • みたログ 2,947

4.22 / 評価:2830件

ジュピター最終楽章のような映画

  • m_a******** さん
  • 2019年7月1日 9時01分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

過去に旅行したことのある五島列島が舞台で、隠れキリシタンの匂いがする神秘的な島だ。主人公のナズナも冒頭で学校登校前に天主堂で祈るシーンが描かれている。
中学校の合唱部活を中心に話は進んでいくが、展開はごくごく普通のもので奇をてらったものではないことに好感が持てる。
登場人物にはそれぞれの事情があり、それがが合唱で1つになるといった感じである。
ナズナは、祖父母を暮らしている。母は幼いころに亡くし、父は女性を作って家を出ている。母との思い出は、天主堂でのオルガンのシーンで、これが最後につながる。

臨時の音楽教師ユリは、この島出身の有望なピアニストだったが、恋人の死で弾けなくなってしまう。今も死んだ恋人が忘れられず後を引きずっている。
このやる気のないピアニストがなぜ、臨時教師を引き受けたのかの背景は明確ではないが、きっと恋人の思い出があふれた場所から逃れたかったのだろう。
島で運転するオンボロのピックアップトラックも彼女の心持ちを表す小道具になっている。このやる気のない彼女が徐々に変わっていくのは、主人公のナズナと合唱に入ったクワハラという男の子の家庭環境が大きく影響していく。

もう1人の重要人物はクワハラという小柄でどこか弱弱しい男の子だ。兄が、自閉症でその世話をするために親が生んだ。そうした背景を知れば普通はそれに反抗してぐれるのではないかと思うが、なぜか気持ち悪いぐらい素直だ。明治、大正、昭和前半ならばそうな子供はきっと存在しただろうが、最近では珍しい。
このクワハラが、ナズナ達女の子、やる気のないユリ、そして先生目的で合唱に入ったやる気のない男の子を1つに結び付けていく。

それは最後に自閉症の兄とナズナの接点に導き、合唱コンクール会場での大勢の合唱シーンへのクライマックスへと導く。
まさにモーツァルトのジュピターの最終楽章の小フーガが重なり合い、最後は大フーガで終わるような映画だった。

詳細評価

物語
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音楽

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