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ナショナル・ギャラリー 英国の至宝
2015年1月17日公開

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

NATIONAL GALLERY

1812015年1月17日公開

sikosakugo

3.0

美術館は誰のもの?

まず、3時間は長い。作り手の、世界に名だたる大美術館の内幕をできるだけ幅広く、深く、多面的に見せようと言う意気込みは分かる。しかし、映画館で見るにはてんこ盛り過ぎで、消化不良もいいところ。しかも、美術館に関わる多数の人間が登場し、饒舌に語る語る。私自身、美術には比較的関心の高い方だと思うが(だから、一般映画ファンには些か敷居の高い?上映館まで赴いた)、人間の集中力はそんなに続かないぞ。さすがに後半になると疲れて不覚にも欠伸が出た。もう少し内容を絞って、尺を縮めることは出来なかったのだろうか?家で適宜休憩を取りながらのDVD鑑賞か、学校の授業等で数回に分けてDVD鑑賞の方が、より余裕を持って本作を楽しめるように思う。 思うに「美術館の楽しみ方は人それぞれ」。ひとり静かに作品と向き合いたいと思う人もいれば、ギャラリートークを必要とする人もいる。中には鑑賞をきっかけに知識欲が大いに刺激される人もいるだろう。最近は、若いお母さんの息抜きの場にもなっているようだ。将来の美術ファンを育てる意味で、児童生徒への鑑賞教育も大切だ(学校単位で鑑賞することで、家庭環境に関係なく多くの子ども達が美術館デビューを果たせる。"機会平等"と言う意味で、これは素晴らしいことではないか?)。欧米の大ギャラリーは、よほどのオフシーズンでもない限り、どこも大勢の人で静かに見られる環境にはない。それでも、素晴らしい(と言われている)作品を見たくて、心に残る1枚との出会いを期待して、人々は美術館へと足を運ぶのだろう。 美術館を運営する側(特にエライ人)も、一部の鑑賞者も、美術館を高尚な場だと思い過ぎてはいないか?美術館は文化遺産を将来に渡って維持保存する場であると同時に、広く一般市民に文化遺産を披露し、その素晴らしさを知って貰う啓蒙の場でもあるはずだ。その塩梅が難しいからこそ、運営する側でも様々な意見の交換がなされているのだろう(本作で、そういう内幕が見られたのは良かった)。 少なくとも、この作品は見る人を選ぶのだろうな。昨日のサービスデーに大挙して見に来ていたおばちゃん達(平日の美術館来館者の大半を占める人々)の率直な感想も聞きたいところだ(映画冒頭から何人もの寝息が聞こえて来たのにはビックリ!)。 そう言えば、ヴァチカン美術館を3D映像で見せる映画も近々公開らしいね。どんな切り口で見せてくれるのか楽しみであり、怖くもあり…

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