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フレンチアルプスで起きたこと (2014)

FORCE MAJEURE/TURIST

監督
リューベン・オストルンド
  • みたいムービー 104
  • みたログ 428

3.31 / 評価:302件

普段は直視したくない、男と女のある一面

  • ati***** さん
  • 2016年1月30日 6時44分
  • 閲覧数 1409
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

観客として見ている分には笑えるが、妙なリアルさが明日は我が身と思わせる。何か失敗した時、なんとなくすぐに謝れなかったこと、すぐに問いただせなかったことが、少しずつ大きな溝として広がっていく。
演出がやや冗長に感じるが、緩やかに移り変わっていく感情が見どころでもあるし、難しいところ。総合的には面白かったと言える。

主人公のトマスは、男の情けない一面を悲しくなるほど表している。失敗したと分かってるのに、変なプライドが邪魔をして突っ張って、ますます追い詰められて、かといって誰に相談するでもなく一人で抱え込み、最後にはどうしようもなくなって全てをさらけ出す…。
一方、妻のエバも女の回りくどい一面を見せる。モヤモヤしつつも良き妻を演じようとするが、我慢できずに知人の前で暴露。夫との話し合いでは自分が折れるが、やはり我慢できず別の友人を巻き込んで糾弾。遭難したフリしてわざと夫に助けさせ、円満解決を画策…。

尊厳ばかり気にして逆に状況が悪化していく男と、
表面を取り繕っても結局は丸く収められない女の話。

最後のバスのシーンは「一応また家族の形を取り戻したけど、やっぱり全て元通りとはいかない」という意味だと思う(元通りになるはずないけど)。
バスが危ないと思った時、エバは自分で運転手へ詰め寄り、ドアを開けさせて、さっさと降りた。雪崩の時にはトマスの名を何度も呼んで助けを求めたが、バスでは見向きもしていない。もう夫には頼らず、自分一人で危機に対処するという意思の表れだと思う。
トマスが煙草を吸ったのは、やはり自分に自信を無くしたままだったから、なんとかして父の威厳や男らしさを取り戻したいという気持ちの表れだろう。
結局、一度開いた大きな溝は完全に埋まりはしないのである。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 切ない
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