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野火
2015年7月25日公開

野火

FIRES ON THE PLAIN

PG12872015年7月25日公開

kaz********

4.0

人間は極限状況で鬼にもなる

あまりに凄惨で正視に耐えられない映像の連続で恐ろしい。戦争の惨さを描いて余りある。 第二次大戦末期のフィリピン・レイテ島。田村一等兵は肺病を患い、厄介者扱いで部隊と野戦病院を行き来する。少ない食料で原野に放り出され彷徨うことに。廃屋になった教会で原住民の若い男女に騒がれ、女を殺してしまう。銃を捨てた田村は安田という男の率いる小隊と行動を共にする。小隊はバランポンに終結せよという命に従い進むが、敵襲に遭いせん滅に近い被害を受ける。食糧が尽き倒れた田村を助けたのは、安田と行動を共にする永松という男だった。永松は田村に水を飲ませ『猿の肉』を与えた。しかし、『猿の肉』と呼んでいたのは実は・・・・・・・。 人道主義者である田村でさえ、戦争は理性を失わせる。殺さなければ自分が殺されるという状況の中で、娘を殺し銃を捨ててしまう。バランポンに向かう途中で奇襲攻撃を受け味方は壊滅するが、生き残りの兵が目にする光景は地獄絵である。累々と横たわる死骸は肉を裂かれ骨を砕かれ残忍そのものである。よく映像にできたなと思うくらい精巧な描写でぞっとする。 負傷者が敵の担架で担ぎ出されるのを見た田村が、白旗を掲げて敵のジープの前に出ようとした時、別の兵が白旗を振って近づいて撃たれるシーンがあるが、皮肉であり戦争の残酷さを物語る。 戦争は二度としてはならないと頭に刻みつけたい。

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