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JIMI:栄光への軌跡 (2013)

JIMI: ALL IS BY MY SIDE

監督
ジョン・リドリー
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2.80 / 評価:86件

彼のギターの音色は女のあきらめのため息

  • yab***** さん
  • 2019年4月4日 21時13分
  • 閲覧数 185
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    • 総合評価
    • ★★★★★

 ジミヘンは女にモテた。しかし黒人の女ではなく、白人の女に好かれた。ひとりは知的なリンダ。リンダは、当時大人気のローリング・ストーンズのキース・リチャードの恋人。彼女が、ジミヘンの才能を見出した。ひとりは妻になる肉感的なキャシー。彼女はあくまでもリアリストだった。

 ボブ・ディランのアフロヘアーの髪型が好きだった。もちろん、ボブディランの歌にも影響を受けた。
 「音楽は色だ。観客にも同じ色を感じてほしい。あとはSFっぽく自分で塗りたくればいい」。
 事ほどさように言うことが洒落ていた。しかし、彼は黒人差別や、黒人解放の思想には興味がなかった。ロンドンで、警官に呼び止められ、黒人が軍服を着るとは何事だ!と言われ、リンダが怒りで声を荒立てている横で、「やりすぎはいけない」と達観する彼・・・。怒りはなく不機嫌、神秘性はなくただの変人と言われた。 

 人気が出ないアメリカを去り、イギリスでギターの才能に賭けた。ビートルズの発売されたばかりの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」をいきなりコピーして、コンサートで熱唱した。スターティング・オベーションが起こった。
 ジミヘンは、リンダのことが大好きだったが、関係は持たなかった。というより、リンダが先が見えた恋を拒んだ。そこに言い知れぬ切なさが感じられた。

 「人前で歌えるのに一人の女には誠実じゃないのね。歌詞には書けても直接言わない」。
 このリンダの言葉で、僕が抱いていたジミヘン像が崩れ去る。
 麻薬漬けで強引でワイルドな男ではなかった。彼はあくまでも知的でシャイでナイーブだった。

 今まで聴いたことがなかったジミヘン。彼のギターの音色は、黒人差別に対する抵抗などなく、熱いロック魂などなく、もしかしたら、女のあきらめのため息と、それに呼応した彼の乾いた吐息でしかない。そう思ったら、急にジミヘンが身近に感じられ、無性に聴きたくなった。

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