二人合わせて165歳の最高齢ラブコメ
- fg9***** さん
- 2017年4月18日 15時50分
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…あらすじは、解説のとおり。
長年連れ添った愛妻に先立たれてしまった80歳の老人フレッド(クリストファー・プラマー)。
娘(マーシャ・ゲイ・ハーデン)夫婦の勧めで心機一転、アパートの一室に引っ越したものの、失意に沈む彼は、なにかと部屋の中にこもりがち。
一方、彼の隣の部屋に住む老婦人エルサ(シャーリー・マクレーン)は、陽気な性格の持ち主で、イタリア映画の「甘い生活」に憧れ、その劇中に登場するトレヴィの泉にぜひ自分も一度行ってみたいと長年夢見ていた。
彼女に感化され、フレッドも次第に明るさを取り戻していく。
先ずは、遅ればせながら最近観た『サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ大佐(クリストファー・プラマー)がギターの弾き語りで「エーデルワイス」を歌っていたが、本作でもギター弾いたので嬉しくなった。
で、本作でのお二人の実年齢は80歳と85歳で、足して165歳という間違いなく最高齢のラブコメだろうな。
で、エルサに感化されてフレッドも次第に明るさを取り戻していくのだったが、彼女が未亡人で5人の孫を養っているというのは真っ赤なウソで、また、若い頃にピカソのモデルになったこともあるという虚言癖もあるようだった。
で、ある日、未だ戸籍上の夫がフレッドを訪ねてきて次のように言うのだった。
「エルサは、現実と夢の区別が付かず、自分の嘘を本当だと信じ込んでいるんだ。」
「でも、彼女はニューオリンズ一の金髪美人だったよ。
彼女を失ったのは俺の一生の不覚だった。
あんたも同じ失敗をするな。」なんて言うイイ奴だった。
で、こんな嘘がバレてもシャーシャーとしているエルサは小憎らしくもチャーミングだったが、最大の嘘は自身の健康上のことだった。
フレッドは、エルサが人工透析を受けている重病人だと知るのだった。
しかも、高齢故にあまり明るい展望は見込まれないらしいのだった。
で、フレッドは、エルサのお気に入りのフェリーニの『甘い生活』で描かれるトレヴィの泉を訪ねる航空券をプレゼントし、現実のトレヴィの泉で、『甘い生活』の主人公のアニタ・エルヴァーグとマルチェロ・マストロヤンニ、本作のシャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマーが夢うつつのうちに交錯してクライマックスを迎えるのだった。
で、場面はサラッと移り変わり、墓地の風景だ。
エルサを弔ったフレッドに、エルサの息子がある物を渡すのだった。
それは、ピカソが描いた少女エルサの肖像画だった(どんだけの価値があるんだ!)。
二人合わせて165歳の最高齢ラブコメだったが、ジジむささは微塵も感じさせず、軽妙な会話と小粋なストーリー展開に少しも退屈せず、エンディングも爽やかでホロリとさせられ、自分よりも一回り以上も年寄りの癖に、自分の老醜に否が応でも鞭打ちたくなる十分に一見の価値はある作品だった。3.4点。
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