あらすじ・解説
アメリカ・モンタナ州で生活しているネイティブアメリカンのジミー(ベニチオ・デル・トロ)は第2次世界大戦から帰還後、原因のわからない諸症状に悩まされ軍の病院に入院する。そこで人類学者でもある精神分析医ジョルジュ(マチュー・アマルリック)と出会い、対話診療を繰り返すうちにジミーは自らの心に潜む闇と向き合うことになる。やがて二人は、患者と医師という立場を超越した友情を育んでいき……。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(17件)
- yab********
4.0点
ジミーはインディアンの家系。第二次世界大戦後、「魂のケガ」を負う。 その「魂のケガ」を治すべく、カンザスに現れたのが、フランス人人類学者ジョルジュ。 ジミーは父親が死に、母親が男を作ったことがトラウマに。ジョルジュも人妻との禁断の恋に悩む。 お互い男女の修羅場に身を置き、不思議な共感が産まれる。 ジョルジュの人妻の恋人は、マトリョーシカを動かしながら言う。 「魂を心に入れ 心に理性を与え 理性を肉体に戻せば 肉体が人間になる」 意味深い言葉だ。心は、魂と理性の均衡がないと成り立たない。動と静。情熱と冷静。大人心と子供心。ところがちょっとのはずみで、その均衡は音もなく崩れる。 ジョルジュは、均衡は人と人との微妙な触れ合いにあると信じている。彼はいみじくも言う。 「人間はさまざまだ。楽しみ方も異なる。だが人は誰とでも祝宴を楽しむべきだ」 魂の共鳴によって理性が肉体に戻ってくる。そして人間らしさが底の方から満ち満ちてくる。 ベニチオ・デル・トロとマチュー・アマルリックの夢心地の共演によって、壊れかけた魂が激しく揺さぶられる。
- 未設定
4.0点
ほぼ会話劇だが、二人の俳優の演技がすごく良いので飽きずに最後まで見れた。 とにかく深い。 一人でじっくりと見たい映画。
- Tcode
3.0点
小説でも読んでいるような作品でした。 テーマは重いですが、二人の心の交流が確かに何かのゴールにわずかながら向かっていくのがシーンから読み取れる作品。 特にベニチオ・デル・トロの渾身の演技力が光っていました。
- fg9********
4.0点
…あらすじは、解説のとおり。 1948年のアメリカ・モンタナ州が舞台だ。 アメリカ先住民のジミー(ベニチオ・デル・トロ)は、第2次世界大戦に出征して戦場から戻ってきて以来、視覚異常や頭痛に悩まされるようになり、カンザス州にある軍の病院で診察を受けるが、なかなか原因が突き止められない。 そこで医師たちは、アメリカ先住民の文化や歴史にも通じたフランス の精神分析医ジョルジュ(マチュー・アマルリック)をNYから呼び寄せ、彼にジミーの診察を一任する。 こうしてジョルジュはジミーと対話を重ねていくのだった。 本作は、フランスの臨床精神分析医ジョルジュ・ドゥヴルーが1951年に発表した著書『夢の分析:或る平原インディアンの精神治療記録』を原作とし、アルノー・デプレシャンが監督・脚本を務めた実話だ。 あとはもう、mis@さんのレビューどおり、『医師役のマチュー・アマルリックも、ジミー役のベニチオ・デル・トロも、台詞の間合いや発音(お国訛り)、一挙手一投足その感情表現が実に見事で天晴れの一語に尽きる。』を堪能すべし。 熊体躯のデル・トロが鬱(陰)を繊細に演じれば、片や栗鼠体躯のアマルリックが躁(陽)をコミカルに演じ、好一対を為す二人の存在感がナチュラルに纏いあい、遂には『心の欠片=魂のケガ』を探し当てるという逸品だった。 ラストの別れの折に、『my friend』とアマルリックがデル・トロに語りかけるシーンでは、二人の信頼の深さにジーンときてしまった。 mis@さんのレビューどおり、『《希望と勇気》《魂の接点で結ばれた者同士の友情と絆の素晴らしさ》が、我が心にも存分に振り撒かれた。』、非常に見応えのある作品だった。 なお、原題は『JIMMY P./JIMMY P. PSYCHOTHERAPY OF A PLAINS INDIAN』だが、邦題の『心の欠片』というのはなかなかのセンスの良さを感じたことでもあった。
- 柚子
3.0点
第二次世界大戦時に、精神的な傷を負ったとされる、ネイティブアメリカンの元兵士ジミーと、人類学者ジョルジュが、精神科医も兼ねて、治療を試みる 実際には、戦争によるPTSDではなく、幼少期のトラウマが原因だと、突き止めていく みんな、みんな、優しい 優しさで、溢れている この時代、差別など当たり前なのに、この優しさは救われる 人間は、こうでありたい 何かと恐ろしげな役が多いベニチオ・デル・トロが、繊細なネイティブアメリカン元兵士を演じていて、これも新鮮な感じ
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