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ナイトクローラー (2014)

NIGHTCRAWLER

監督
ダン・ギルロイ
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3.83 / 評価:2,484件

自分のやらない事はさせない

  • tim_jarmusch さん
  • 2018年9月14日 3時48分
  • 閲覧数 1709
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

これは劇中でジェイク・ギレンホールが雇用している従業員に対して語るセリフだが、現代、行き過ぎた資本主義社会を表す上で非常に皮肉の効いた言葉なのではないだろうか。

彼のやっている事は限りなくグレーではあるがルール上は合法。
成果の為に時には仲間ですら安くこき使う徹底した合理主義。
得た報酬は設備と管理体制に再投資。
倫理より大衆利益を優先しシナジー出来る相手と共に収益を最大化。
そして顧客である大衆の好奇心をしっかりと満たす。
現代ビジネス的観点でいえば彼の仕事ぶりはまさに完璧で社会的意義のある行動だといえる。

しかしこの映画を観た我々観客の中に諸手を上げ彼を賞賛する人はいないだろう。
なぜなら彼がイカれている事を知っているからだ。
いかにビジネス的に優れ大衆に支持されようともそれはごく一部の側面でしかなく、その内実は個の利益や人権が軽視される事で成り立っているビジネスだと知ったからだ。

このような不可解な構造は、映画がフィクションだからだろうか?題材であるパパラッチだけに当てはまる事?
いや、いくらでも思いつく。あの検索企業、通販企業、物流大手やアパレル企業も同じ構造で個を大衆とみなし軽視しているかもしれない。
大衆として利益を甘受できているうちは良い、一度、自分がファインダーの先に置かれ軽視される側として餌食にされる事を思うと、ジェイク・ギレンホールだけが特殊なのかわからなくなってくる。
私達は私達で大衆に徹し過ぎるあまり個である事を忘れているのではないのかと。

「自分のやらない事はさせない」
一見、耳障りの良い優しい言葉だが、果たしてその内容はイカれている彼と同じムジナを強要する真逆の言葉であった。
私達の企業トップがジェイク・ギレンホールでない事を祈ろう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 絶望的
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