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ナイトクローラー (2014)

NIGHTCRAWLER

監督
ダン・ギルロイ
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  • みたログ 3,468

3.84 / 評価:2,413件

メディアの狂気に踊らされる男

  • 一人旅 さん
  • 2016年2月3日 9時46分
  • 閲覧数 877
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

ダン・ギルロイ監督作。

ロサンゼルスで発生する事件・事故の映像をテレビ局に売り込んで報酬を得る報道パパラッチ、ルイス・ブルームの狂気を描いたサスペンス。
視聴率を稼ぐため限度を超えた報道をしてしまうメディアの暴走というテーマ自体は目新しくもないが、一人の報道パパラッチの異常な行動を通じてメディアの実態とメディアと大衆の関係性を描いている点では興味深い。元々治安が悪い繁華街で発生する事件ではなく、郊外の閑静な住宅地で起こる事件の方が大衆の興味を惹く、というディレクターの言葉が印象的だ。事件・事故の重大性よりも、単純に見た目のインパクトが大きく恐怖心を煽るような映像を大衆は求める。メディアもメディアで、大衆が求める映像を厳選して流すようになる。メディアも大衆も、見たい(見せたい)映像にしか関心が向かない。
主人公ルイス・ブルームはメディアと大衆の閉塞した関係性の犠牲者だ。メディア(大衆)が求める衝撃的な事件・事故映像を追求していくうちに、ルイスの行動は次第に常軌を逸していく。いい映像を撮りたいがために、危険をかえりみずに事件現場に直行するのだ。邸宅内に無残に転がる死体には何も感じず、局が求める映像を撮れたことに対する興奮と喜びに心を支配されてしまう。カメラを通して見た映像だけが、ルイスの現実から完全に切り離されてしまっているかのようで、一心不乱にカメラを覗くルイスの鬼気迫る表情が何とも不気味で恐ろしい。
また、ルイスは低学歴で経済的に恵まれないプアホワイトだ。自分の撮った映像が局の視聴率を上げているという快感がルイスの自尊心を保つ。社会から疎外されて生きてきたルイスにとって、自分の撮る映像だけが自らの存在価値を確認させてくれる。ルイスがニュース番組のディレクターや局の上層部とのコネクションを強く求めるのも、社会の負け組からの脱却を社会的に認めてもらいたいがための行動だ。立場のまるで異なるディレクターに対し、自身の人生論を自信たっぷりに話すルイスの姿が痛々しく哀れに映る。
そして、ルイスに扮したジェイク・ギレンホールの演技も圧巻だ。やや長めのヘアスタイルが新鮮で、淡々と捲し立てるような口調は機械的で人間味がまるでない。何より、目つきが驚くほど怖い。それまでの優しいイメージを一新させる狂気に満ちた演技で観る者を圧倒するのだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
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