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日本のいちばん長い日 (2015)

監督
原田眞人
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  • みたログ 4,449

3.51 / 評価:3183件

国体護持

  • たーちゃん さん
  • 2021年7月21日 9時23分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

前作の岡本喜八監督の同名作品にとても感動しましたので、拝見しました。

今作は何だかちょっと違う感じを受けました。何でしょう。何だか緊迫感というか、熱さ(暑さ)というか何かが足りない気がしてしまっていました。俳優のせい?演出のせい?セット美術のせい?
同じように時系列で日時や時間などの表示もあるのですが、大事なところをあまり深く描いていないような気がします。
将校たちの熱さや焦りに何となく余裕があるというか。大臣たちの終戦への導き方にも切羽詰まった感が薄いと思われます。特に玉音放送までの緊迫感も前作に比較すると違うかなとも思いました。
前作と違ってよかったのは本木雅弘さん演じる昭和天皇でしょう。今まではかなりおざなりに形だけの昭和天皇が、どこか人間臭く。どの軍人たちよりも国民の事を思っていたのは天皇ご自身だという事を感じさせてもらいました。
阿南惟幾(役所広司)の娘の結婚式の事を心配したり、食料が少なくなった時に官吏と会食する事に同意したり。今までの現人神=天皇ではない姿を拝見した思いです。
それに植物にはとても詳しく「ひめじょおん」のくだりなどは、学者としても優秀な方だったのだとも思いました。
玉音放送録音のシーンは本当にこんな感じだったのだろうと思いました。

それまでの人生をすべてが国のため、天皇陛下のためと思って戦ってきている軍人に戦争を止めさせるというのは至難の業だったようです。それまで明治以降一回も負けたことのない軍人にとっては負けを認めるという事は死ぬ事と一緒の事だったようです。本気で「本土決戦」を考えていたというので驚きです。
また、この時代の方がやはり一番拘ったのは「国体護持」でした。やはりどんな事があっても何事があっても天皇陛下が一番だったのでしょう。終戦をするにせよ皇室安泰が絶対だったのですね。
敗戦後天皇が戦犯とされなかったのは、この全軍人の思いでもあったのでしょう。
もし天皇がもっと戦争に積極的な方だったら。もし玉音放送が放送されなかったら。もし将校たちのクーデターが成功していたら。などを思うと、ゾッとします。この時に決断し、日本国家のために反社会的に頑張ってくれた方々のおかげで今の日本があるという事を忘れてはならないと思いました。

今回の映画で特に良かったのは焼夷弾のリアリズムです。東京大空襲のシーンで焼夷弾で燃える家屋のシーンがありましたが、ただ単に爆発する爆弾ではなく、火のついたタンクのようなものが落ちてきて、燃え広がる様子がきちんと表現されていました。本当はこういう燃え方だったんだろうなと感じました。

詳細評価

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