レビュー一覧に戻る
妻への家路
2015年3月6日公開

妻への家路

歸来/COMING HOME

1102015年3月6日公開

dkf********

3.0

ネタバレ高倉健、スピルバーグも絶賛とのことだが・・・

「シュウシュウの季節」で文革の愚かさを批判したヤン・ゲリンの原作小説をチャン・イーモウ監督がお得意の人間ドラマ路線に立ち返って撮った感動作ということだったが、うーん、個人的にはちょっと期待し過ぎた・・・ もちろん悪い出来ではない。観る人によっては十分に感動的な落涙必至の内容に仕上がっているとは思う。ただ、この巨匠の演出作にしては「普通に良い」レベルであり、彼ならばもっと格調高く深いドラマに描くことも出来たのではないかと思うのだ。 途中、もしやあの調律したピアノで弾いた昔の曲で記憶が戻ったなどという展開にでもなったら、それこそ安物のドラマになるなあとイヤな予感を感じたりもしたが、さすがにそんな安直な話にはならずにホッとしたが。 映像的にも印象に残る場面が少ないし、随所で散見される監督には珍しいズームアップによる描写も逆に安っぽく映る。 記憶の戻らない妻に寄り添いながら駅でたたずむラストは文革に人生を翻弄された一組の夫婦の悲劇として哀しくも美しいエンディングではあるが、それまでのストーリーの積み重ねが心に刺さってこなかったので、不思議に感動はなかった。 個人的に敬愛するイーモウ監督だけに、どの作品も鑑賞前から「大盛評価」前提で観てしまう傾向にあるのだが、本作はいまひとつ手放しで支持できない。高倉健やスピルバーグも絶賛したらしいが、正直、イーモウ監督にはこれより良い作品が他にいろいろあるだろ?という感想だ。時間をおいて観たら評価が変わるだろうか・・・

閲覧数1,020