2015年6月6日公開

エレファント・ソング

ELEPHANT SONG

1002015年6月6日公開
エレファント・ソング
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

謎の失踪を遂げた同僚を捜そうとする、精神科医のグリーン(ブルース・グリーンウッド)。彼は同僚の姿を最後に見たという患者マイケル(グザヴィエ・ドラン)から、詳しい話を聞くことにする。象に異常な執着を見せる彼と対面し、失踪事件を解決する手掛かりをつかもうとするグリーンだったが……。

シネマトゥデイ(外部リンク)

本編配信

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作品レビュー(34件)

切ない26.1%悲しい21.7%不気味13.0%知的13.0%絶望的10.9%

  • つとみ

    4.0

    「不在」であることが存在を主張する

    ある精神病院の患者であるマイケルと、精神病院の院長であるグリーン。二人の意思と駆け引きが重厚な今作はサスペンスに富みつつ、「愛」をめぐる苦しみと救済の映画でもある。 まず、導入部が良い。病院の経営者がグリーン院長と面談する導入は「全てが終わった後」という時間軸だ。 「マイケルを担当していた医師が失踪した」という事件と、「その後さらに病院で起こった出来事の顛末」を聞き取るシーンで、既に二つも謎が提示される仕掛け。 時間を行ったり来たりしながら、謎に迫るこの仕掛けが、ラストまで来るとまた違う意味を持つ。 さらに色調が良い。全体が薄い緑色に染まったような病院の雰囲気。ナースのカーディガンも緑、グリーン院長のカップも緑、そもそも院長は名前も「グリーン」。そんな緑色の世界でマイケルのジャケットは赤みがかって目を引く。 コントラストがマイケルを際立たせ、不穏さをまとわせながらも美しく引き込まれる。 冒頭に書いた「愛」をめぐる苦悩もまた、「愛されたい」のに「愛されない」マイケルと、「愛していた」のに「愛すべき相手を失った」グリーン院長の対比になっている。 二人の「愛」に対する現在の状況も対比だ。 マイケルは精神病院の問題児だが確かに「愛されている」。ただし、それはマイケルの求める形ではない。マイケルの望む形がどういうものなのかは明示されないが、マイケル自身は「自分の求める愛の形」が病院では叶わないことに絶望してしまったのだと思う。 退院か死か。飄々として見えるマイケルだが、その渇望は既に限界を迎えつつあった。 一方のグリーン院長は「愛されること」を重荷に感じている。彼の愛を必要としているオリビアがいるのに、グリーン院長は彼女に向き合おうとしない。 クリスマス休暇を病院で過ごすことに安堵しているようなグリーン院長の態度に対抗するため、オリビアは職場に電話をかけたり、暖房の修理を頼んだり、果ては病院にまで訪ねて来るのである。 側にいて欲しいオリビアから逃げるグリーン院長。彼が逃げたかったのは、愛すべき相手を失ってしまう苦痛だ。 注意深く幾重にも強調されるマイケルとグリーン院長の二項対立。その対立が映画が進んでいく過程で絡まりあい、マイケルが言うように「心が通じあって」くるのだ。 表面的にはとても通じあっているようには見えないのに、確かにそう感じる。 狭い部屋の中で、マイケルはくるくると部屋をかき混ぜるように移動し、グリーン院長の心もかき混ぜようとする。 真なる目的のために、グリーン院長を翻弄するマイケル。マイケルが目的を遂げた時、図らずも「心が通じあって」いたグリーン院長にも変化が訪れる。そしてそれはマイケルの求めた「愛」を再び手にする道を切り拓いた。 親から与えられる無償の愛。運命の相手と育む至高の愛。マイケルが渇望し、グリーン院長の手のひらからこぼれてしまったもの。 表面的になぞると大したことない話のように思えるのに、幾重にも重ねられた演出と俳優の演技がシンプルなストーリーにダイナミックな感情の振り幅をプラスしている。 「愛し愛されること」を「愛」という核心をあえて「不在」にすることで際立たせる手法はお見事としか言い様がない。 チョコレートの箱に空のスペースがあることで、むしろそこに入っていたはずのチョコレートが目立つように。 心理サスペンスとしても見応えがあるが、ヒューマンドラマとしても一押しの美しい映画だ。

  • d

    3.0

    ネタバレ最後のマイケルの行為の意味

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • mey********

    4.0

    死に取り憑かれた青年

    象の密猟の場面はショック。 あれを8歳でしかも目の前で見れば心病むと思う。 その上、母親も自殺とか。息子に言葉一つ残さず。 生きることを強制することの方が残酷。 楽になれて良かったね。

  • fg9********

    3.0

    監督もドラン自身がやって欲しかった

     …『トム・アット・ザ・ファーム(2013)』、『Mommy/マミー(2014)』とグザヴィエ・ドラン監督作品を観てきて、ある解説に『もともとは4歳で子役としてデビューし、俳優としては長年のキャリアと実績を持つドランが、本作の脚本を読んで「この主人公は僕そのものだ」と出演を熱望。』した作品とあったので観てみる。   …あらすじは、解説のとおり。 ある日、ひとりの医師が精神科病院から不意に失踪する事件が発生する。  彼が担当していたのは、病院内でも最大の問題児であるマイケル(グザヴィエ・ドラン)という青年患者だった。  14歳の時、自分の目の前でオペラ歌手の母親が自殺を遂げて以来、マイケルは精神障害を起こし、長年この病院に収容されていたのだった。  院長のグリーン(ブルース・グリーンウッド)は、担当医が失踪した事情をマイケルから聞き出そうと試みるが、マイケルは嘘とも真実とも知れぬ無駄話を延々と繰り広げて院長を翻弄するのだった。  話しの展開は、グリーン院長部屋でのほぼ二人だけの密室劇の様相で進んでいく。  そこに、マイケルの回想の形で、偉大なオペラ歌手の母親が、「三度、音を外した……」としてマイケルの目前にて自殺を企てたシーンと、ハンターの父親が象を射殺したシーンが挿入される。  劇中で、人間以外の動物で感情で涙を流す動物は象だけだと言われていたが、父親が倒れた象にトドメを射す寸前の象の涙は切なかった。  この二つのトラウマがマイケルの精神を倦ませたことに間違いはないだろうが、隠喩・暗喩を駆使してグリーン院長を手玉にとるドランの演技に魅せられる。  そこにグリーン院長の元妻で看護師長であるピーターソン(キャサリン・キーナー)が加わるが、二人の距離間も微妙に歪みが生じていて興味が尽きないストーリー展開だ。  で、マイケルは、失踪した医師とは性的虐待があったことも臭わすのだったが、どこまでが本当でどこからが嘘なのか虚々実々の弄言を繰り返し、より一層、グリーン院長の心を弄ぶのだった。  で、本当の話しを知りたかったら、自分から出す三つの条件を呑めとグリーン院長に言うのだった。  その条件とは、次の三つだ。  1.僕のカルテを読まないこと。  2.ご褒美にチョコレートをくれることを約束すること。  3.看護師長をこの件から外すこと。  2.の条件はなんとも子供こどもした条件だったが、ここがマイケルの計算され尽した精神病院を脱出する最後の切ない切り札だったのだ。  なかなかの結末に心惹かれるものはあったが、医師たる者が、「1.僕のカルテを読まないこと。」という条件を呑むことには若干の違和感を覚えてしまった。  また、ドランがフランス語ではなく英語を喋っていることにも多少の抵抗があり、更に言えば、監督もドラン自身がやって欲しかったので☆一つ割り引かせて貰った。

  • ain********

    4.0

    ストーリー展開がいい

    自分にとっては斬新な進行でした。 また精神科という、相手の人間が 未知の領域なので、想像しにくいのも 拍車を掛けて、次はどうなるんだろう というワクワク感も拍車を掛け、 楽しみ観れた作品です。 何もなかったのか、それとも事件なのか、 想像力が膨らむ中の展開・・・ いやあ脱帽ものです。

スタッフ・キャスト

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ブルース・グリーンウッドトビー・グリーン院長
グザヴィエ・ドランマイケル・アリーン
ギィ・ナドンクレイグ・ジョーンズ医師
コルム・フィオールジェームズ・ローレンス医師
キャサリン・キーナースーザン・ピーターソン

基本情報


タイトル
エレファント・ソング

原題
ELEPHANT SONG

上映時間

製作国
カナダ

製作年度

公開日

ジャンル