あらすじ・解説
マーガレット・サッチャー政権下の1984年夏、ロンドン。炭鉱労働者のストライキの報道を見たマーク(ベン・シュネッツァー)は、彼らを救済すべく仲間たちと募金活動をすることに。しかし、ゲイとレズビアンの活動家グループであるマークたちが必死でかき集めた支援金を受け入れる炭鉱団体はなかった。それでもマークたちはめげず、労働者たちに直接寄付金を渡すためロンドンからウェールズへ向かう。
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予告編・動画
作品レビュー(83件)
- エル・オレンス
4.0点
80年代イギリスで、同性愛者と炭鉱労働者の利害が一致して手を組んだ歴史を学べたのは良かったです。 エイズが注目され始めたのもこの時代からだったのですね。 特筆すべきは抜群の選曲センス!世代の人間もそうでない人間もどっぷり魅了されます!(カーマカマカマカマ懐い!笑) 一番良かった演技は、快活マダムを好演したイメルダ・スタウントン!『恋におちたシェイクスピア』(1998)も、彼女の演技が一番好きw ただ、同性愛や炭鉱ストの問題を色濃く描きすぎているように感じるが故に、コメディ枠の扱いながら、全編通して、暗く重苦しい印象が強いです。 ドラマ展開も、実のエピソードを基にしているのを加味しても、パンチに欠けて凡庸さが感じられて残念。 同じ80年代イギリス社会をテーマに扱っているドラマなら、『フル・モンティ』(1997)や『リトル・ダンサー』(2000) などの方がずっと脚本も演出演技も優れていると思うし、強くお勧めしたいです。 ====================================== ★2014年ゴールデングローブ賞【ミュージカル/コメディ】 作品賞ノミネート
- つとみ
4.0点
まあとにかく感動しちゃう。かなり序盤から本当に何でもないシーンが何故か感動的。 言うなれば、前後関係なく誰かと誰かがバグをした、みたいな、それだけ。 何てったって、前半のダイのスピーチなんかラストシーンかっていうくらい良いスピーチで、この後どうすんのかなと思ったものだが、その後も一々感動的で、本当のエンディングはダイのスピーチも越えてきた。 いつもならあーだこーだと解説じみたことを書くのだけれど、本作に限っては、感動するのは理屈じゃないんだと思い知らされた気がした。 「あなたを助けましょう」に対して「ありがとう」と返す、本当にただそれだけ。こんな簡単なことが出来るだけで感動できるんだから世の中ヤバいんじゃないかとさえ思う。 原題にもなっている「プライド」が、プライドを持てという話と、そんなぐだらねぇプライド捨てちまえの両方に掛かってるのが良いよね。 誇りに思うこと自慢に思うことがどこにあるのか、そのありかを間違えるなって作品だった。 本当は細かいところをつついたらもっとやらしい政治とか権利とかのドロドロした部分もあるんだろうが、そんなものはチラリとも見せない明るさと爽やかさがあって、理屈じゃなく感動できる。 単純に良いもの観たなと思える。
- kon********
5.0点
ネタバレ見た後の爽やかさ、これ何
このレビューにはネタバレが含まれています。 - とみいじょん
5.0点
そして、ピンチはチャンス。転ばされたなら、それを使ってより高く跳べばいい。 そんな知恵を授けてくれる、笑って、憤慨して、ハラハラして、涙して。そして皆とパレードしたくなる。そんな映画。 政治経済的には、手放しでサッチャー女史が悪とも言い切れないから複雑…。サッチャー女史も国を立て直すためにプライドかけてやっていたわけで…。 それぞれのこだわり=己の生き方=プライドーLGBTであること、炭鉱夫とその家族であることーが、ずんずん胸に迫ってくる。オタクとか、今の世の中、ほとんどの人が何かしら抱えているこだわりに、胸を張っていいんだよと、背中を押されている気分になってくる。 予告にある「あなたたちがくれたのはお金だけではない。友情です(思い出し引用)」。クライマックスの言葉かと思っていた。ところがどっこい、前半のスピーチ。 そこから、一転、二転…。ストーリーは大きく分けて、起承転結にきれいに収まっているのだが、”事実”を知らない私にはハラハラドキドキ、そして大笑い。ノリの良い音楽や「パンと薔薇」のようなしみわたる歌等にのせて、グイグイ引き込まれる。 彼らの連帯の敵は、炭鉱側にも、LGBT側にも、一般ピープルにもいて…。 そのうえでのこのクライマックスとテロップで流れる後日談。ああ、一緒に歓喜のパレードしたくなる。 最高に勇気づけられる映画。 日本の労働争議だと、自分たちの利益と権利の主張ばかりしか、耳にしないけれど、こういう連帯には胸が熱くなる。 途中で、ジョーが母に「人生で最高の…」と語る場面があるけれど、こちらまで高揚してくる。 けれど、勢いだけの映画ではない。 何度も見返していると、カップルの在り方にもジーンとくる。 「44年連れ添ったの。…あなたもそういう人を見つけて(思い出し引用)」と語るグウェン。レジー&レイやステラ&ゾーイがお互いを大切に思いながら寄り添う姿を見て、ご自身の亡くなったパートナーを思い出したようだ。 いち早く、LGBTのメンバーを受け入れたダイには、彼を理解してくれている妻マーガレットがいる。 自身が怪我してもそれよりもジョナサンを気遣うゲシン。そのジョナサンは、恐る恐る帰還したゲシンを気遣う。 反対に、夫の尻ぬぐいばかりのゲイルの、中盤の言動がスカッとする。 そして、シャンの変化に伴い、自身も変化していくマーティン。 ジェンダーで規定されたような役割に対する投げかけ。男たちが座り込みに行っているからかもしれないが、組合員としてこの組合を切り盛りしているのが女性であるように見えるところも、面白い。 そして、もう一つの基軸。 ゲシンの帰還。 ジョーのアイデンティティの自覚。 モーリーンの息子の変化。 「人生は短い。無駄にしてはいけない」 役者では、スコット氏が賞をおとりになったそうだ。 けれど、彼だけではなく、称賛したい人がたくさん。 ヘフィーナを演じるスタウントンさん。『ハリポタ』のあの教師の印象が強かったが、強気で自分の意見を押し付けるところは同じだけど、こんなおちゃめな方というのが可笑しい。賞受賞。 クリフを演じるナイ氏の抑えた中でも燃え滾る闘志、でもしどろもどろな姿も素敵。 ダイを演じるコンシダイン氏の実直さ、そして終盤のちょっと疲れの見える微妙な演技がすごい。 ジョーを演じたマッケイ氏にも賞を進呈したい。最初の坊や坊やからの成長。彼を追うだけでも『プライド』という題にふさわしい。 マークを演じるシュネッツァー氏は「君は本当に美しい」にはちょっと異論があるが、(ジェフを演じるフォックス氏がきれいすぎるから)、立ちふるまい・歩く姿は本当に美しい。受賞は逃したが、ノミネートされている。 「苦しい時、どこかで自分を思ってくれる人がいる。それが、力になる(思い出し引用)」 そんな風に思ってくれる誰かと出会えたら、それだけで生きていける。そんな誰かが現れるような生き方をしないとな。 でも、その前に、損得、見返りなしに、”誰か”を思う側になりたい。 相手の幸せのために行動すること。受け入れてくれる人がいること。それが最高の時。 そんなプライドを持って生きたい。 そんな風に思った。 エイズ。幸いにして、感染経路もわかって、予防できる病気になった。そして完治こそ難しいが、状態によっては罹患してからの平均寿命も延びた。医学の発展に寄与している方々に感謝したい。 そして、マーク・アシュトン氏のご冥福をお祈りします。 これだけの才能が若くして散ることが悔やまれてならない。もし、今ご存命なら、世界にどれだけのムーブメントを起こしていたのだろうか。 予防法が判らなかったのだから仕方がないが、命を・自分を大切にしていただきたかった。 (映画の登場人物は敬称略。ごめんなさい)
- ピニョン
4.0点
サッチャー時代の炭鉱が絡む映画にあまりハズレはない感じ。この映画もそうでした。
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