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牙狼<GARO> -GOLD STORM- 翔 -劇場版- (2015)

監督
雨宮慶太
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3.82 / 評価:45件

流牙牙狼の良さは存分に出てる。

  • yus***** さん
  • 2017年11月14日 0時05分
  • 閲覧数 230
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

ドラマ版「闇を照らす者」の続編、かつ新編「GOLD STORM翔」の前日談として制作された本作。

闇を照らす者の総監督だった横山誠氏から、シリーズ産みの親である雨宮監督にバトンタッチされています。

個人的に、ドラマ版闇を照らす者は、良くも悪くも「試験的」であったという印象。賛否両論を呼んだCGシーンの多さや、所謂冴島家の牙狼との繋がりなどの繋がりの謎がそこまで提示されなかったこと(パラレルワールドってことで落ち着いたとは思う)、猛竜、哀空吏らの騎士が、何かの勢いで黄金騎士になってしまった(Gガンダムみたいだった)と感じるラストなど、観ていてそこまでのカタルシス、「観て良かった!」と感じられたかというと、私個人は正直に言って微妙という感じでした。

本作の印象はというと、雨宮監督に戻ったことによるある種の安定感と、これまでの劇場版牙狼のお約束も踏まえた上での、良い意味での「アッサリ感」があった気がします。

まず、良かった点。

・CGばかりだった流牙牙狼から、なるべく実写、着ぐるみを多用したことによる牙狼の重量感、威圧感の復活
・それまでの、どうしても「牙狼といえばこうだ」という固定観念からの脱却、冴島牙狼との差異を出せたこと(本作で新たな牙狼のビジュアルを確立させたことが大きい)
・ドラマシリーズを経て築き上げた、栗山航氏と南里美希氏らによるメインキャストのアンサンブルが良いこと
・単純に、新たなドラマシリーズへと続く導入作として優れていること
などでしょうか。

やはり「牙狼」という壮大な物語を本来産み出した張本人である雨宮監督だからこそ、牙狼本来の良さを引き出し、操れている印象がありました。

ただ、やはりそうはいっても冴島鋼牙から始まったシリーズであることから、どうしてもオリジナリティを出せずにいた流牙の物語が、ここにきてようやく動き出せたのかな、とも感じます。

反対に、本作で少し不満、疑問が残った部分。

・良い意味でアッサリしてもいるが、し過ぎている感も否めない
・本作の敵キャラクターである魔導具、「阿号」の扱い。
・一本の単体映画として観たときのテーマ性に欠けている

といった点。

これまでのシリーズ、特に牙狼メインの長編映画としては「RED REQUIEM」「蒼哭ノ魔竜」などがあるわけですが、それぞれが新たなキャラクターとの邂逅、シリーズの総決算など、大きなテーマを孕んでいました。

牙狼ファンならば理解していただけると思いますが、本作のテーマがあるとするならば「人々を護る魔戒騎士、魔戒法師たちにとって、人間は本当に護るに値するか」ということだと思う。
これは、系譜は違えどオリジナルの、いわば冴島家メインのストーリーで幾度も触れられてきた部分であり、更には「絶狼 BLACK BLOOD」などでも描かれてきたテーマです。

個人的に、確かに流牙牙狼ではそこを触れていくことに間違いは無いとは思うのですが、もっと大きく「牙狼」というシリーズを鑑みると、さすがに食傷気味なテーマなのではないかと感じました。

さらに言うと、本作で流牙たちと対峙する、魔導具「阿号」関連。
「ホラーのいない世の中にする」ということこそ流牙、莉杏と同じではあるが、阿号の考えは「人間を殲滅すればホラーもいなくなる」というもの。

そこがどうも無理矢理な発想に感じてしまいました。
例えば、そこまでに至った経緯に何か余程のことがあったりしたならば理解できなくも無いですが、阿号の周囲にその思想に導くほどの影響を与えたキャラクターがいたりとか、何か大きな出来事があったようにも思えなかったし、「長年思い続けてきた」という台詞こそありましたが、彼は長年機能を停止していた訳だし、物語中で登場した人間の醜さを考えても、お笑いコンビの2700のお二人のシーンくらいだし。

どうしたって魔導具であることから、そこまでの凶悪なホラーや名が知れ渡る強大な敵でもないわけで、ラスボスというには微妙な立ち位置でもあったかな。一応ホラーの身体が体内にあったとはいえ。

ただ、新シリーズへと続く劇場版ということを考えると、このくらいで良いのかな、とも感じました。

鎧召還に一定期間制限がかかったり、ホラーのいないはずの街が危機に陥ったり、物語中に登場するキャラクターの力を使ってパワーアップしたりと(本作の場合は阿号の剣)、これまでの牙狼シリーズ劇場版のお約束もある程度多く含んでいるので、シリーズのファンならばニヤリとする所も多いのではないでしょうか。

色々と書きましたが、道外流牙という、冴島とはまた違った黄金騎士のキャラクター、物語を確立させられているという意味では大いに素晴らしかったし、牙狼という物語の中では大きな爪痕を残した作品になっているのではないかと思います。

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