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白鯨との闘い (2015)

IN THE HEART OF THE SEA

監督
ロン・ハワード
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3.42 / 評価:1,040件

解説

ハーマン・メルヴィルの「白鯨」の裏側に迫るナサニエル・フィルブリックのノンフィクション「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」を基に描く驚異のサバイバルドラマ。19世紀を舞台に、白い大型のマッコウクジラと捕鯨船の乗組員たちとの壮絶なバトルを描く。主人公を『アベンジャーズ』シリーズなどのクリス・ヘムズワースが演じ、『ダ・ヴィンチ・コード』などのロン・ハワードが監督を担当。大海原で繰り広げられるクジラと人間の究極の闘いに息をのむ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1819年、エセックス号のクルーたちは鯨油を入手するためにアメリカ・マサチューセッツ州のナンタケット島を出港する。一等航海士オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)をはじめとする乗員たちは、太平洋沖4,800キロメートルの海域で白い化け物のようなマッコウクジラと遭遇。彼らは強大な敵を相手に必死で抵抗するものの船を沈没させられ……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED
(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

「白鯨との闘い」白鯨と闘うだけじゃない、極限状態に置かれた「人間」たちの熱いドラマ

 このタイトルから人々が想像する映画とは、おそらく大きくかけ離れた映画だ。もちろん主人公ら男たちは白鯨と闘うし、3D映像が描き出す、怒れる白鯨はそれはもう凄まじい迫力。海洋アドベンチャーとしてのスケールが圧巻なことに関しては太鼓判を押せる。しかし、それがすべてではない。それよりむしろ、心に刻みつけられるのは鯨の襲撃で極限状態に置かれ、生命を脅かされた「人間」たちの熱いドラマだ。傲慢さゆえに鯨と闘い、立場の違うライバルと闘い、己との闘いを強いられて試練を重ねる人間たち。それは過酷な物語であると同時に、意外なほど詩情にあふれて美しい。

 この映画が描くのは、ハーマン・メルビルの名著「白鯨」にインスピレーションを与えた、捕鯨船エセックス号の衝撃的な実話。19世紀のナンタケット島では、捕鯨ビジネスが大きな価値を持っていた。この時代はヨーロッパのエネルギー源を鯨油が担っていたからだ。無鉄砲で自信家の一等航海士、チェイスと、経験値は浅いが名家の出だからと船長の座を獲得したポラード。逃げ場のない船という舞台で、この2人の緊張関係がどう転んでいくのか、乗組員たち全員の運命がどこへ押し流されるのか、生き抜くことができるのか。一瞬たりとも目が離せない。先が読めないためだが、クリス・ヘムズワースを始めとするこの乗組員たち、海の男たちが非常に美しく魅力的だということも一因。3D映像は迫力と臨場感をもたらすだけでなく、被写界深度の浅いポートレートのように男たちの存在を際立たせるのだ。

 監督は、前作「ラッシュ プライドと友情」でもライバル同士の心に生まれた複雑な感情を浮き彫りにしたロン・ハワード。本作でも期待した以上、想像した以上に心のドラマで魅了する。物語はメルビルが生き残った乗組員から過去を語らせることで紡がれ、なぜメルビルが「白鯨」を書くことになったのかというミステリーを伴うのだが、ブックエンド型のこの部分にも現在進行形のドラマがある。哲学的、倫理的な領域にまで足を踏み込むその勇気には、白鯨に体当たりされた船のように揺さぶられずにはいられない。(若林ゆり)

映画.com(外部リンク)

2016年1月14日 更新

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