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おかあさんの木
2015年6月6日公開

おかあさんの木

1152015年6月6日公開

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3.0

反戦映画としてそこそこまとまってはいたが

時代は過ぎ、すっかり老婆になってしまっていたサユリの回想という形で物語は進みましたが、まず戦前・戦中期にしては映像がちょっと綺麗すぎて・・・・・兄弟の一人が出征に際して列車に乗っていた際、作ってもらったおにぎりと玉子焼きはシンプルながらも普通に美味しそうだなあともふと思っていたけど、暴走と混迷を深めていった時代の雰囲気等再現し切れていなかったと言うか、ちょっと物足りなかったですかね。 別にサユリの親父の同僚の奥さんでもあったミツは、別に子供達を戦争に行かせたくて何人も生んだわけでなく、たまたま彼らが成長した時に日本がそういう泥沼になるのも想定しないで、中国との戦争なんか始めてしまった(そして、そうしたツケは80年近く経った現在も払いきれておらず、今なお、現代の日本人にとっての大きな宿題となってしまっている)だけの事だったのですが、本人の心情なんか全く分かろうともしないで・・・・・・・・・・・・・国家の為に国民がいるわけではなく、国民の為に国家があるのに、全体主義の歪さと言うか、ミツをかってに賢妻賢母みたいに祭り上げていたのは現金だなあ・・・・・と言うのは、あまりにも現代からの感覚過ぎるというものですか。 しかし、たとえそうだとしても、自分がそのミツの立場だったら・・・・・・・とかまあ想像できても、そんな戦争反対とか自由な意見を述べれる時代でもなかったわけですが、とうとうミツも我慢しきれなくなって・・・・・・・・当初は勝手に顕彰されたのが、この時は幸いして、すぐ家に帰してもらったのも皮肉でしたが、ちょっとタイミング良すぎるのでは?疑問も無きにしも非ずでしたね。正直な話。 五郎はやっと戻ってこれたと思ったら・・・・・・・・安易なお涙頂戴とかの類にはなってはいなかったし、平和の大切さ・重み等悪く言えばありきたりでも改めて伝わるものもありましたが、鈴木京香にはもっと迫真的なパフォーマンスが見たかった・・・・・・というのはハードルの高い要求というものでしたか。それこそ実際の戦争体験世代でもある奈良岡朋子にも負けないぐらいの。 戦争がもたらすものは何なのか?戦争を起こさないためにはどうすれば良いのか?色々改めて考えるという意味でも一度見てみる価値はあるとも思いましたが、その様に反戦映画としてはそこそこまとまってはいた程度の佳作でしょう。

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