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ピース オブ ケイク (2015)

監督
田口トモロヲ
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  • みたログ 3,864

3.26 / 評価:2963件

恋愛はふわふわとごたごたの塊

  • regulus6648 さん
  • 2015年9月9日 0時55分
  • 閲覧数 8816
  • 役立ち度 34
    • 総合評価
    • ★★★★★

映画化されると聞いてあらすじを読んでもあんまりストーリー設定に惹かれず原作は未読のまま、でも、注目キャストがいっぱいだから初日に観てきた。

整った脚本で粒ぞろいの演技派がぴしっと演じると、しっかり魅せる作品に仕上がるものなのね!というのが素直な感想。映画館が暗くなる前に、ふわふわ浮ついたことがひたすらごたごた起こりそうで退屈しちゃったらどうしよう、と思っていたのが申し訳なくなるくらいに、話が進むほどに引き込まれてた。

とにかく流されがちな志乃(多部未華子)には、全部が全部共感できるわけじゃない。応援したいなぁって思うような純粋な意志をもったキャラでもない。けれど、気取ってる余裕すらないような本音のセリフに出会うたびに、心がきゅうって絞られて、「志乃ちゃんだけじゃないよ」って思い、翻って「自分だけじゃない」って思い、恋愛ってあらゆる種類のふわふわとかごたごたの塊で、でもそうとわかっても、何も無駄じゃないよねって、思えてくる。

志乃のバイト先の店長の京志郎(綾野剛)は、やたら無邪気にはしゃいだり、元カノと何かあっても悪びれなかったり、あけっぴろげで、胸キュンしたりイラッとさせられたりしながら、だけどなぜか嫌いになれない空気を振りまいていた。インタビューで「自分自身、あまりラブストーリーの経験がないので、映画を観ても恥ずかしさがあって、何が(演技の)正解か今も分からない」と答えたそうだけど、どういう恋愛でも絶対的な正解というのはほぼないと思うから、恥ずかしさとかわからなさの不安感を常に抱えてたということが何よりもリアルで、役者としてのひとつの正しいアプローチや答えなのかなぁと思ったり。

オカマの天ちゃん(松坂桃李)はふっきれた演技で新境地を開拓!話し方にも立ち振る舞いにも違和感がない。志乃と比べると貫禄すら漂うようで、「恋愛で格好つけてどうするのよ」とか、ぐさっとくるセリフが、ばっちりはまっていた。それから、志乃のバイトの先輩の川谷(菅田将暉)のチャラさがものすごくナチュラルなのも光っていた。

マンガの世界にしか描けなさそうな、軽いけどいちいち真剣な恋愛のトーン。それを決して嘘にみえないように、R指定回避の限界にも挑戦しながら見事に映像化した田口トモロヲ監督の手腕がすごい。

登場人物たちを心の中でちょくちょくたしなめながら、甘さも酸っぱさも苦さも全部ひっくるめた、心が騒ぐ恋愛がしたくなる映画だった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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