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真夜中のゆりかご (2014)

EN CHANCE TIL/A SECOND CHANCE

監督
スサンネ・ビア
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  • みたログ 551

3.65 / 評価:436件

愛の伝承と偏見

  • TとM さん
  • 2021年4月10日 11時18分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

登場する大人たちの自分の子に対する感心度や態度、つまり愛し方の違いで生まれるドラマ。
何でもあり得る状況に、ある意味先の読めないサスペンスで、驚きと面白さがある。
それに雰囲気も暗めでホラーのような恐ろしさすらあり、内容だけでなく楽しめる。

主人公アンドレアスの同僚シモンは息子が新しい父親と暮らすことに落ち込み酒浸りになる。
ソーフスの父親トリスタンは子に全く興味を示さず自分のことばかり。
その妻サネは、我が子を愛し育児をする意思もあるがトリスタンに邪魔をされて思うようにいかない。

アナの両親は、娘の死にも動じる様子もなく、アナに関心が薄かったことが伺える。
そして主人公アンドレアスは、一見善き父親のように見えるものの、息子の死に対して冷静に対応したにもかかわらずアナの死に激しく落ち込んだ姿や、そのあと息子とソーフスを替えた行動からもわかるように、アンドレアスが一番気に掛けている人物は妻のアナである。
これらを受けて、両親に愛されず、息子に対してどう接していいか分からないアナは、夫アンドレアスの息子への愛の薄さを感じとりおかしくなっていく。

アンドレアスのソーフスを助けたいという思いは言い訳だ。
息子を失い悲しんでいると思っているアナの心を癒すためにソーフスを連れてきたのだ。
しかし本当は息子を死なせてしまった罪の意識にアナはさいなまれている。
子を交換したことの罪を問われ、子どもを虐待する親が罪だという言葉は、アナに直接突き刺さり、アンドレアスのアナを思う気持ちは逆効果を生んでしまう。
死んでしまった我が子に替わってきた新しい子。一時は大丈夫うまくやれると言うものの、自身が愛されず人が子を愛する姿を見たことがないアナには、息子を死なせた罪の意識と新たな罪を犯すかもしれない恐怖に押し潰されてしまった。

そして、アンドレアスが善き母と無条件に信じていたアナは虐待する親だった事実は衝撃を与える。それはもちろん観ている私たちに対しても。

エンディング、トリスタンの束縛から逃れ本来持っていたであろう息子への愛を存分に発揮したと思われるサネに育てられたソーフス。
愛を受けたソーフスはとても良い子のように見えた。
本当に愛を注ぐ善き親だったのは、虐待していると決め付けられたサネだけだったのだ。
振り返ってみれば、ソーフスの健康状態が良好だったことからもサネはサネなりに酷い状況の中で頑張っていたのだとわかる。
ビッチ風のジャンキーだから育児が出来ないわけではない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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