2015年5月23日公開

ゆずり葉の頃

1022015年5月23日公開
ゆずり葉の頃
3.2

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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

母の市子(八千草薫)を訪ねた進(風間トオル)だったが、市子は軽井沢に行っており、部屋には宮謙一郎(仲代達矢)という画家についての新聞記事の切り抜きが残されていた。そのころ、市子は宮の展覧会が開催されている美術館を訪れていた。彼女は目当ての絵について職員に聞いてみるも、展示されるかわからないと言われてしまう。

シネマトゥデイ(外部リンク)

作品レビュー(8件)

ロマンチック31.3%不思議12.5%切ない12.5%知的12.5%悲しい6.3%

  • da5********

    2.0

    仲代と山下にだけ、ブラボー!

    稚拙な失敗作映画。なのに、エンドロールが終わった瞬間に私は拍手したくなった。山下洋輔の音楽がすばらしすぎて。 巧拙がこれほど内部にて分かれている映画は久しぶりだ。 巧───音楽・美術・配役・仲代達矢の演技。 拙───脚本・演出・仲代以外全員の演技。 脚本が異常だ。台詞をいちいち我々は「耳で読まされる」。画として、流れとして呈示すべき状況説明の多くを、会話や独白の中にねじこんでしまっているから。邦画なのに字幕を突きつけられ続けたようで、ストレス。みね子監督は脚本作りのイロハを知らない。 役者たちは、それぞれ程よく演じたつもりだろうが、観客からすれば「不必要にタッチ強め」だった。「軽めに」と言った客の体を、指圧師がついつい強めに揉んでしまうのと似て。つまり、演劇臭い。 池畔での子役二人は、臭みが度を超えていた。あんなので初恋を描いたことにはならない。 八千草薫がほとんど全場面で無意味に微笑んでいたのも、精神疾患的で感じ悪かった。物語素材が薄すぎて、演技しにくかったのか? ……亡き特攻隊員の元婚約者が老後に遺骨を探す大傑作沖縄映画「風音」の加藤治子の好演との、隔たり。 今回、仲代の演技だけは、タッチの強弱を超えて絶妙で、作品の火力を見事にアップさせていた。顔に触れるシーンでは、そのまま接吻~抱擁もありえたぞ! しかし八千草と監督には、度胸などなかった。仲代の完璧さと向き合っていながら八千草は、目薬泣き。だらしない。監督に「こんな台本では私、涙を出せません。書き変えて」と喧嘩でも売りなさい。 第一、自分と家族の幸福しか考えてない上品なばかりの市子(八千草)の、大昔の初恋なんて、どうでもいい。戦争を過去話にしているのも気になる。今後、極東で騒乱が引き起こされるかもしれないし、地球のどこかで自衛隊員が戦死することもありうるのだ。あんたのまだ生きてる間にね。 「今のこんな日本を子供たちには遺(のこ)せない」と反安保法案デモ(国会議事堂前)に90才過ぎて駆けつけた瀬戸内寂聴のように左がかって生きろ───とまでは市子に言わないが、少しは自分たち以外のこと(例えば福島や沖縄や、格差社会での若者たち)にも思いを馳せてるポーズをとりなさい。終盤の彼女と息子の長シーン、風間トオルが結局は軽薄っぽいし、スッキリ感なんてなかったぞ。 それと、外人嫁は、若くて綺麗で感じ良すぎた。ブクブク太ったシワシワで銀髪のつっけんどんな老女にすべきだろう。

  • sea********

    3.0

    人生締めくくり。

    故岡本喜八監督の妻である岡本みね子が、旧姓の中みね子で 76歳初監督を務めた作品。作風と年齢が絶妙にマッチした 主演の八千草薫がハマり役となっている。上品でしとやかで 優しい顔立ちにも関わらず凛とした佇まいを演じさせたら右 に出るものはない。とはいっても高齢の親を持つ身としては 当然息子役の風間トオルの心配と重なってしまうのがやや苦。 そろそろ社会からの引退をと願う母親がふらり想い出の地で ある軽井沢へ赴き、以前初恋の人が描いた絵画を探し求める。 「人生締め括りの旅」という感じで出逢う人々とのふれあいも 微笑ましいが、貧困老人には叶わない豊かさがあってこその 余生満喫だということを認識する。つらい戦後をどのように 生きたかを語る飴玉の色が哀しくも活き活きと浮かび上がる。

  • mai********

    3.0

    心穏やかに

    心が穏やかに そして皆が優しい。 日本の原風景を、こういう優しさに溢れる世界だと規定したいくらい。 規定するなんて考え方じゃいけないんだけど… 喫茶店のマスターも 展示会のスタッフも ペンションのご主人も もちろん八千草さんも 風間さんも 様々な経験を積んできたからこそ、最後には優しくなれるんでしょうか? 決してそうじゃない、偏屈になってしまう人もいるわけなんですが 人の優しさや、温かさに触れていくと 凝り固まった心も解きほぐされていくのでしょうか。 時間の中に埋もれた淡い思いが 優しさによって掘り起こされていくような感じのする作品。 そして、齢を取っても、こんな風に優しくあれたら…と思わせる優しい作品でもありました。

  • mus********

    3.0

    この映画には何かが”いらっしゃる”

    ずぅ~っと「観てみたい」と思っていた作品でした。八千草薫さんと、仲代達矢さんが共演する、それだけで十分、映画館でお金を払って見る価値あり、とおもってしまいます。 作品そのものはとっても静謐な作品。 佇まいがいいです。 軽井沢で、ある画家の個展が開かれました。画家は滅多に人前には姿を現さない。しかし、その絵に惹かれる人たちが数多い。いつしか、その存在自体が伝説的な画家になっていました。  主人公の市子(八千草薫)は、この画家、宮謙一郎の、ある一枚の絵がどうしても気にかかる。一度でいいからその原画を見たいと思ってきました。いい機会です。彼女は自分の住む街から、個展が開かれている軽井沢へ向かいます。しかし、自分がどうしても観たい作品は、個人所有となっており、原画をみる事はほぼ不可能に近いことを知ります。 やがて市子は、地元の喫茶店のマスターや、彼に紹介されたレストランオーナーの計らいで、なんと、宮謙一郎画伯、ご本人に会えることになります。宮画伯のお宅に招かれた市子。そこで彼女が見たのは…… 本作では、何の説明も要らないでしょう。絵画鑑賞のように映画の世界観、その雰囲気の中に身をまかせると良いでしょう。 音楽は悪くない。それもそのはず、ジャズピアニストの山下洋輔さんが、ピアノを担当してます。そのメロディーや演奏はやっぱり素晴らしい。 僕が気になったのはその音楽の使い方でした。 このシーンでは、むしろ饒舌な音楽は必要ない、と思えるシーンにまで音楽を使ってしまっている。  実は「無音」という選択肢は、映画監督にとって実に勇気がいるのです。だから、どうしてもセリフのないシーン、人物の移動や、時間の移り変わりのシーンで、「必ず」「隙間なく」音楽を入れてしまおう、とする。その気持ちはわかります。本作では人物が動くシーンでの音楽が、やや饒舌すぎるきらいがありました。 まあ、これも趣味の問題なので、観る人がこれでいいと思えば、正解なんでしょう。 それからもう一点。一部のシーンで使われた、手持ちカメラの問題。 なんでブレブレの手持ちカメラを使ったのか? ほとんど意味不明なシーンがありました。市子の主観映像が、それに当たりますが、これは如何なものか? と首をひねりました。僕ならステディーカムを使って欲しいと思う。 いろいろと、文句を申しましたが、本作はそれを補って余りあるほど魅力的です。 やっぱり八千草薫さん、スクリーンで拝見するお姿はなんとも美しい。 この人は、老いて行くのではなく、本作のタイトルにある通り、その存在自体が「ゆずり葉」なのでしょう。 ゆずり葉は、若い葉が伸びてから、古い葉が落ち、次の世代に譲るのだそうです。 本作の見せ場は、なんといっても仲代達矢さんとの二人芝居でしょう。オルゴールの音に合わせて、八千草さんと仲代さんが、ダンスに興じるシーンがあります。 お二人が、子供の頃に戻ったかのように、無邪気に踊るシーンは印象的です。 ロケーションも本作の大きな魅力です。 「龍神の池」と呼ばれる池があります。清水が湧き出てくる、常に新しく、命溢れる水が、しんしんと湧き出てくる。その生命力と透明感あふれる小さな池のほとりにたたずむ主人公、市子。 「ああ、ここにはなにか”いらっしゃる”」と思えます。 岸部一徳さんが演じる、マスターの喫茶店「珈琲歌劇」この雰囲気もいいですね。エンドロールを見ていると、この喫茶店、実在するようですね。 レンガと木組みで作られた古い喫茶店。中に入ると、年代を重ねたと思われる銘木で作られた、カウンターのどっしりとした重み。客は少なく、これで経営が成り立つのか?と思えるのですが、静かに味わい深い珈琲を、じっくりと楽しむにはぴったりの雰囲気です。店員の服装は、清潔感あふれる真っ白なシャツに黒のエプロン。言葉使いが丁寧です。接客はどこまでも超一流ホテル並みです。そんな喫茶店のカウンターの奥。マスターは珈琲をじっくり丁寧にドリップしている。画面から、程よく焙煎された、珈琲の香りが漂ってきそうです。マスターの友人が営むレストランも、これまた素敵です。 ここは2組だけですが、宿泊もできる。地元で採れた食材でフランス料理を出している。 市子はこのレストランで、宮画伯の絵に出会うのです。 本作では、おもわず「一度は行ってみたいなぁ~」と思わせる、魅力的なお店、画廊、数々の美しい風景が取り上げられております。 年齢を積み重ねてゆくことで得られる、ある種の気高さ。 「私もこんな風に歳を重ねて行きたい」 本作を見て、誰もがそんな風に思うのではないでしょうか。 ゆずり葉のように、すくなくとも心持ちは「緑のままで」歳を重ねて行きたいものですね。

  • bgx********

    2.0

    私カオルストです

     世に「サユリスト」がいるのなら私のような「八千草カオルスト」もいるはず・・・かつての「お嫁さんにしたいナンバーワン女優」といえばこの人でした。いくつになっても清楚で可愛らしい雰囲気を持っているのは吉永さんと同じで、オジサン族にはたまらないのです(笑)  さて、映画の方ですが・・・ちょっと期待はずれでした。戦時中疎開した少女の淡い恋心というテーマはいいのですが、私個人的には、息子の妻や画家の妻、ペンションオーナーの友人等々余計な配役が多かった点、オルゴールに合わせて画家と踊るシーンの演出がいただけない点が残念でした。派手さのない静謐な作品に仕上げたかったのでしょうが、胸に迫るものがありませんでした。タイトルも「ゆずり葉の頃」より「竜神池のほとり」の方がいいんじゃないでしょうか。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
ゆずり葉の頃

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日

ジャンル