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ゆずり葉の頃 (2014)

監督
中みね子
  • みたいムービー 21
  • みたログ 38

3.21 / 評価:42件

仲代と山下にだけ、ブラボー!

  • da5******** さん
  • 2017年8月10日 20時12分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

稚拙な失敗作映画。なのに、エンドロールが終わった瞬間に私は拍手したくなった。山下洋輔の音楽がすばらしすぎて。
巧拙がこれほど内部にて分かれている映画は久しぶりだ。
巧───音楽・美術・配役・仲代達矢の演技。
拙───脚本・演出・仲代以外全員の演技。

脚本が異常だ。台詞をいちいち我々は「耳で読まされる」。画として、流れとして呈示すべき状況説明の多くを、会話や独白の中にねじこんでしまっているから。邦画なのに字幕を突きつけられ続けたようで、ストレス。みね子監督は脚本作りのイロハを知らない。

役者たちは、それぞれ程よく演じたつもりだろうが、観客からすれば「不必要にタッチ強め」だった。「軽めに」と言った客の体を、指圧師がついつい強めに揉んでしまうのと似て。つまり、演劇臭い。
池畔での子役二人は、臭みが度を超えていた。あんなので初恋を描いたことにはならない。
八千草薫がほとんど全場面で無意味に微笑んでいたのも、精神疾患的で感じ悪かった。物語素材が薄すぎて、演技しにくかったのか? ……亡き特攻隊員の元婚約者が老後に遺骨を探す大傑作沖縄映画「風音」の加藤治子の好演との、隔たり。

今回、仲代の演技だけは、タッチの強弱を超えて絶妙で、作品の火力を見事にアップさせていた。顔に触れるシーンでは、そのまま接吻~抱擁もありえたぞ!
しかし八千草と監督には、度胸などなかった。仲代の完璧さと向き合っていながら八千草は、目薬泣き。だらしない。監督に「こんな台本では私、涙を出せません。書き変えて」と喧嘩でも売りなさい。

第一、自分と家族の幸福しか考えてない上品なばかりの市子(八千草)の、大昔の初恋なんて、どうでもいい。戦争を過去話にしているのも気になる。今後、極東で騒乱が引き起こされるかもしれないし、地球のどこかで自衛隊員が戦死することもありうるのだ。あんたのまだ生きてる間にね。
「今のこんな日本を子供たちには遺(のこ)せない」と反安保法案デモ(国会議事堂前)に90才過ぎて駆けつけた瀬戸内寂聴のように左がかって生きろ───とまでは市子に言わないが、少しは自分たち以外のこと(例えば福島や沖縄や、格差社会での若者たち)にも思いを馳せてるポーズをとりなさい。終盤の彼女と息子の長シーン、風間トオルが結局は軽薄っぽいし、スッキリ感なんてなかったぞ。

それと、外人嫁は、若くて綺麗で感じ良すぎた。ブクブク太ったシワシワで銀髪のつっけんどんな老女にすべきだろう。

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物語
配役
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音楽

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