ここから本文です

BORUTO -NARUTO THE MOVIE- (2015)

監督
山下宏幸
  • みたいムービー 302
  • みたログ 3,393

4.31 / 評価:3253件

無駄がない映画

  • kya***** さん
  • 2017年9月27日 20時12分
  • 閲覧数 1428
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画を最初に観た時の感想は、とにかく無駄がない映画だな、というものだった。
上映時間は約90分。火影としての職務に忙殺されるうずまきナルトと、家庭をほとんど顧みない父ナルトに反発する息子ボルトが、中忍試験や襲撃者モモシキとキンシキとの戦いを経て、親子として成長していくというストーリー。
これらの展開は洗練されていてほとんど無駄がない。原作の主要キャラであるはたけカカシですら、画面に何度か映りこそすれ一言もセリフがないといえばその徹底ぶりが伝わるだろう。それ以外にもセリフが全くないか、あっても一言だけというキャラは少なくない。
原作漫画を読んだことがある人の中には、「引き伸ばしがひどい漫画である」というイメージを持っている人も少なからずいるはずである。いわゆる「戦争編」が特に顕著で、サブキャラや敵サイドのキャラの掘り下げが過剰なまでに行われていた。少年ジャンプの看板漫画として世界的にも有名になったNARUTOを少しでも長く続けさせたいという大人の事情が絡んでいたことは想像に難くないが、原作者の岸本斉史は本来それとは真逆の性質の持ち主なのではないかという印象を私は抱いている。
おそらく漫画本編の連載終了に向けて物語を畳みに入ることが決まったであろう段階から、物語はかなりの急展開を見せ始めた。戦争の最終盤に現れた大ボスといえるキャラクターは、それまでの敵キャラクターにあったような、悪事を働くに至るまでの複雑な事情の掘り下げなどはほとんど行われず、散りばめられた謎もほぼ未解決のまま強引に封印される、という形で物語から退場する。
物語の最後、ナルトとサスケの最終決戦に至ってはたったの4話での決着。知らない人からすれば普通の長さに思えるかもしれないが、約4年もの間同じ敵と戦う物語を追い続けてきた読者にとっては相当な駆け足っぷりである。
かなりの急展開ではあったものの、物語は文句のつけようがないほど綺麗な形で結末を迎える。岸本斉史がその気になればこんなにも「無駄がない」話を作ることができるのかと、その時思い知らされた。
今回の映画も、まさにそういった「無駄」を排した構成であったように思う。新世代のサブキャラクター達は全く本筋に絡んで来ないし、敵サイドのモモシキとキンシキの掘り下げもほとんどない。物語中盤で襲撃者モモシキにナルトが連れ去られた際、ヒナタがナルトを取り戻そうと立ち向かい負傷したことがサクラの口から語られるが、 これが漫画本編であればたっぷり3話分ほど使ってその戦闘の模様が描写されていただろう。
でも、長年NARUTOという物語を追いかけてきたファンとは、そういう「無駄」をこそ愛する人達なのではないか。どんな敵にも過去を持たせ、何かと回り道をし、過剰なまでに丁寧にキャラクター同士の関係を掘り下げる。映画館を出た時、一抹の物足りなさを覚えた人は私だけではないはずだ。
だからといって、本筋となる部分が描写不足に陥るようなことはなく、ナルトとボルトの親子の関係は丁寧に描かれているし、ナルトとサスケの共闘ではファンが長年求めていた光景がそのまま目の前で繰り広げられる。一本の映画としての完成度は間違いなく高い。
いちファンとして一つだけ望むなら、これをあと30分長く観たかった、ということだけである。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 勇敢
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ