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オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 (2013)

LOCKE

監督
スティーヴン・ナイト
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  • みたログ 841

3.13 / 評価:644件

何に対して誠実であるか

  • sun***** さん
  • 2019年4月25日 2時54分
  • 閲覧数 295
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

たった一度の過ちを犯した彼が人生の岐路に立たされる中で、それでも何に対して誠実であろうとするか。

決して美しい話ではないし、取り返しのつかない失敗を軸に話は展開していく。

主人公はとある人物と違い、自分は「正しい対処をする」と何度も口にする。
自分にはそれができる。と、鏡に向かって語りかける。

彼にとって「正しい対処」とは一体なにか。

それは彼の生きて来た中で直面した経験、人生の中で育まれた固有の価値観から下されたひとつの行動でした。

この状況下でのそれは万人に受け入れられるものではないかもしれない。
支持されるものでもないかもしれない。
それは主人公も完全に理解しているでしょう。

家族、仕事、地位、信頼、愛…大きな矛盾とともに色々なものが失われようとしても、それでも棄てることのできない部分にこそ、彼が彼であることを支えていた根幹があるのだという逆説的なアイデンティティの在処がこの映画では語られています。

「正しい対処をする」と語りかけた愛憎入り混じる鏡の向こうのあの人がいたことで、彼は優秀な建設現場の監督になることができたし、職場から信頼され、あの女性からも愛され、家族からも愛される人になることができた。

劇中のような出来事が起きても、それを曲げたりしないからこそ彼は彼であることができたのです。

窮地に追い詰められ、全て失うとわかっていても最後の最後でとった主人公の行動が持つ「強度」に、それが正しいか間違っているかなんて断定しようなんて気には私は全くなれませんでした。

他のことを犠牲にしても、他人からおかしいと思われても、曲げることのできない部分は誰しもあるのではないでしょうか。

そういう矛盾こそが人間なんだと思います。



あと最後の主人公と息子が話す電話のシーンがとてもよかった。
コールドウェルはずっとずっと間違ったプレーばかりで、息子はそんな彼をバカにしてたけど、愛していたんですね。
鏡の向こうの人物とリンクするようなコールドウェルとは真逆のような存在の主人公は、鏡を見ながら涙を流し、それを聞いているんです。

ほんの一瞬の芝居なのですがこの細やかな芝居がこの映画を、とても深いものにしていると思います。
トム・ハーディ、いい俳優ですね。

観た直後に書いているので、うまくまとまってないと思いますが、
素晴らしい映画でした。

詳細評価

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配役
演出
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音楽

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  • 泣ける
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  • 切ない
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