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グリム・アベンジャーズ (2015)

AVENGERS GRIM

監督
ジェレミー・M・インマン
  • みたいムービー 2
  • みたログ 28

2.04 / 評価:27件

アサイラムとしては真面目だけど

  • kug***** さん
  • 2018年4月24日 19時06分
  • 閲覧数 728
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 原題からしてアベンジャーズに当て込んだ「グリム童話」版ですが、当然のごとく本家には及びもつかない内容の薄さ。真面目には作ってるんですが…なんというか。
 
 「魔法の国から現代にタイムスリップして来た、おとぎ話のヒロインたち。
白雪姫、シンデレラ、眠れる森の美女、ラプンツェル、赤ずきん。
邪悪な魔術師に戦いを挑む、美しき5人の復讐者《アベンジャー》たち。
光と闇が交わる時、時空を超えた宿命の戦いがはじまる!」

 以上、配給の公式解説より。
 早速、添削してまいりましょう。

 まず公式のタイムスリップという表現が不適切。実際は、おとぎの国(魔法王国)では時間の流れが異常に遅いという、浦島太郎の竜宮城と同じような異界(仙境)というわけです。まだ中世のような現代の魔法王国と現代のロサンゼルスが舞台。
 さて、主役の5人ですが「眠れる森の美女」はグリム童話ではありません。グリム童話は類話である「いばら姫」です。翻訳のせいかと思ったけど、オリジナルでもそうでした。そして、この森の美女の能力は「相手を眠らせる」…以上です。美女は眠らされるだけだろと言いたいですが…ヒーローものにはそういうトコがあるので目を瞑るとして。「白雪姫」はこの世界の女王で、同じく拡大解釈で「冷気を操る」と「魔法の鏡」。「ラプンツェル」は「髪の毛を武器」にし、「シンデレラ」は…よくわかりません。幻覚を見せるような、物を変化させるような…ふんわりした謎の能力です。そもそも、キャラクター名で呼ばれることがほとんどないので、スタッフロールを見ないと役名がわかりません。
 そんな中で唯一キャラが立っているのが「赤ずきん」。他の姫たちが年を重ねたせいか、ちょっと年を食っているのに比べて、元々子供だった彼女はちょうどピッチピチの可愛いざかり。しかし、メチャ武闘派。ナイフで突き刺し、首を跳ね、クロスボウで打ち抜く。(まるで某バレッタ) 正直、この映画は赤ずきんの映画です。5人の中で一番演技がうまくて、一番可愛くて、一番よく動く。
 さて、平和だった王国でなぜか内乱を起こし、人間界へと侵略を開始した「邪悪な魔術師」は、すっかりアサイラム映画常連となった「スターシップ・トゥルーパー」シリーズの主演「キャスパー・ヴァン・ディーン」が演じる「ルンペルシュティルツヒェン」なのですが…。日本では知名度低いですね。昔の翻訳では「がたがたの竹馬こぞう」とされてたのですが、これは日本の民話「鬼六」と同様の、願いを叶える代わりに相手の大事なものを奪う鬼の本名を当てることで倒すという「本名を知れば相手を支配できる」という話。
 この悪のボスの選定はどうかと…。つまり、ルンペルシュティルツヒェンという名前を呼ばれた時点で負けなのです。うん、出落ちだろ。ルンペルシュティルツヒェンは人間界でLA市長になり、ハートを名乗り、警察を私設軍隊にしてしまいます。ハートの女王ならぬハートの市長? いや、それは「不思議の国のアリス」だろ! グリムまったく関係ない。
 で、4人の姫は魔法王国の平和だけが大事らしいのですが、なぜか邪魔なルンペルシュティルツヒェンが出て行ってくれたのにわざわざ人間界まで追いかける。意味がわからない。赤ずきんもクールなデンジャラスビューティーですが…やっぱり行動原理がわからない。宿敵である狼をぶっ殺したいのはわかりますが…。ちなみに狼はレスラーが演じるハゲたオッサンです。

 解説によればハートの狙いは、赤ずきんが持つ魔法の鏡の破片を奪い、時空の扉を開いて自らの軍隊を呼び寄せること…らしいんですが見てても全くわかりません。
 地元のギャングのボスとして「アイアン・ジョン(鉄のハンス)」が出てくるんですが…これも名前だけで童話と関係ありません。元の話は「美女と野獣」の類話で、仕返しに王子をさらった大男(ジョンあるいはハンス)は、王子を息子として大事に育てる。城の下働きとなった王子をことあるごとに不思議な力で手助けして出世させ、ついには王女と結婚させて王にしてしまう。すると大男にかかっていた呪いは解け、かつての王だったころの姿に戻るという話。演じるのは初代「ハルク」のボディビル俳優「ルー・フェリグノ」というわかりにくいウリ。

 さて、展開ですが…赤ずきんはつかまって洗脳され、姫たちと戦いますが化け物に変えられた汚職警官の裏切りにあって市庁舎は破壊され、白雪品が自ら鏡を破壊して死んでしまったことで、ルンペルシュティルツヒェンの野望は綻び、洗脳が解けた赤ずきんは姫たちともに戦って倒す。

 本家アベンジャーズの練りこまれた脚本に対して、キャラクターの選択からして全く工夫もなく、とにかく意味のわからない脚本に頭が痛くなってくる。なんだかよくわからない低予算アクション映画としてはギリギリ合格点を出せなくもないが、そんな映画では…。

まあ、だめだと理解してみれば、見れなくはない映画です。

詳細評価

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