2015年6月20日公開

沖縄 うりずんの雨

1482015年6月20日公開
沖縄 うりずんの雨
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(5件)


  • abe********

    4.0

    ことば、息づかい、感情の起伏

     ひとりひとりの登場人物のインタビューが効果的で話の内容や現場での表情、そして彼らの抱えている歴史的な背景も丁寧に描かれて、彼らの顔がたいへん印象に残りました。  まずは読谷村チビチリガマでの集団自決で生き残った知花カマドさんのお話。(資料映像かもしれませんが、それでもたいへん貴重です)。  そして作家の安里英子さんの体験、歌人の玉城洋子さんの短歌、写真家の石川真生さんの半生…さらに1995年レイプ事件を引き起こした元米兵・ロドリコ・ハーブも。それぞれの顔、ことば、表情が印象的です。  19世紀のペリー提督琉球上陸に始まる日米関係と沖縄の苦難の歴史については、歴史事実を羅列、論評するだけでは観る者の心には迫りません。メッセージとなるのは生きていることばです。カメラの前で自分を語るそれぞれの息づかい、感情の起伏、ことば…それらが沖縄の思いを十分に伝えてくれました。

  • mai********

    5.0

    県民の心情を理解するための基礎知識

    『ミッション・インポッシブル/ローグネイション』のようなスリリングさはない。 『ミニオンズ』のようなコミカルさもない。 『HERO』のような痛快さもない。 だから見る人は限られてしまうんだろうけれど だからこそ、日本中の人が見るべき作品だと思いました。 日本史が好き、というレベルでは到底たどり着くことのできない 圧倒的な内容で、その重さ、哀しさ、苦悩葛藤に心が痛くなる。 地上戦が行われた沖縄。 集団自決 ひめゆり学徒隊 対馬丸 かろうじて知っているはずの事ですら、吹き飛ぶくらいの話が展開します。 沖縄の市民の語りだけの範囲ではなく 対馬丸に乗って沖縄戦に配属された元兵士の語りや 大田元沖縄県知事までもが自身の戦争経験を語っていて 逆に地上軍として攻め込むことになった米軍の元兵士の語りまである。 彼ら自身が体験していた現実というものがどんなものだったのかを 日米両方の視点で考えさせてくれる内容です。 また、この語りにプラスされて、当時の米軍の従軍写真や従軍映像が 映し出されていきます。 白黒の写真や、カラーの映像まで、実際の映像記録というものが これほどまでに残されているのかと驚かされもします。 これは監督であるジャン・ユンカーマン氏がアメリカ人であることも 貢献してるのかなと考えます。 そこに映し出されている、上陸した米軍兵士たちのどれほどが 生きて祖国の地を踏みしめる事が出来たのでしょうか? そこに映し出されている、戦死した日本人たちの姿に 沖縄の人だったのだろうか、それとも別の土地の人だったのだろうかと もしこの作品を見る機会を得た人の中に、ご遺族がいたらどれほどの思いを抱かれるだろうかと、想像しきれない想像をしてしまいます。 作品がここで終わるのではなく 米軍占領下での沖縄の様子から、どれだけの出来事があり それがどれだけ隠蔽されてきたのか? どれだけ自分勝手に処理されてきたのかも描かれています。 これは… 米軍占領下の沖縄というのは 非暴力でキング牧師が、力による抵抗でマルコムXが成し遂げようとした 人種差別撤廃運動に通じるような、差別が巻き起こっていたことを教えてくれます。 沖縄に派遣される兵士に教えられる事として耳に残ったのは… 『沖縄には兵士1人に対して約1人の売春婦がいる』という兵士の言葉。 そして 新宿にある『女たちの戦争と平和資料館』に貼り出されている “表面化した”沖縄でのレイプ事件の数々に絶句。 沖縄は米軍にとって戦利品であり そこに暮らす沖縄の女性もまた米軍には戦利品 いつ何時”おもちゃ”にしても良い存在であったということを見せつけてくれます。 1995年の海兵隊3人による少女暴行事件の報道がなされるまで アメリカ国内で、このような事が日常茶飯事であったことを知る人がいなかったという事にも驚かされます。 大戦中、“鬼畜米英”と叫ばれていたことが、占領下の沖縄市民にとって その身を削られるような悔しさと共に植えつけられていった事がわかります。 また同時に 米軍内での男性兵士による女性兵士のレイプ事件に関することまでもを網羅。 兵士の倫理観をも問う内容になっていますし 上記暴行事件に関わった一人の兵士のインタビューまでもが映像に収められています。 一人はインタビューを拒否し また一人はアメリカ国内で再びレイプ事件を起こしているとか… 日本への返還運動 そして基地の撤廃運動 今現在行われている普天間基地返還問題と辺野古への基地移転問題。 過去を知ることで、今を知ることができる。 今の沖縄の人々の思いの根底に何があるのかを知ることができる。 ネット上で軽々しく『売国奴』だとか『親中国』だとか言う前に この作品を見て欲しいものです。 沖縄の人々がなぜ基地を嫌がっているのか? その理由は、過去を知ることで自ずとわかるかと思います。

  • med********

    5.0

    差別の構造

    2015年 日本 ジャン・ユンカーマン監督 まさに沖縄の近現代史! この1本を観れば、その全てが分かる。 内容の重さに、うなってしまった。 数々の本を読み、映画を観、現地を訪れ、少しは分かっていたはずの沖縄。 本作は、私の貧弱な沖縄観を何倍も深化させてくれた。 『映画 日本国憲法』『チョムスキー9.11』などで知られるアメリカ人監督、ジャン・ユンカーマンが、戦後70年の私たちに問いかける、心血を注いだドキュメンタリーである。 「うりずんの雨は、血の雨・・・」と詠まれている。 うりずんとは、潤い初めのこと。 沖縄の冬が終わり、大地が潤い始める3月ごろから、梅雨に入る5月くらいまでの時期を指す。 4日1日から始まった沖縄地上戦は、丁度その季節。 この時期になると、悲惨な戦争の記憶が甦り、体調不良になる人が多いという。 アメリカ人監督ならではの取材が随所に活きている。 例えば、地上戦で対峙し、生き残った元米兵と元日本兵、 日本人をレイプ殺人した米兵、 米軍内での女性兵士への性暴力の実態など、 日米双方の語り部がほぼ均等に登場する。 さらに新発掘の米軍撮影資料映像などもふんだんに用いられている。 それらの映像が重層的に構成され、沖縄戦の実像、集団自決、差別的な占領政策、強引な基地建設、反基地闘争、日本政府の強制的な対応、私たちの差別と無関心、沖縄の人たちの深い失望と怒り、粘り強さ、不屈の戦いなどが語られる。 内地出身の元日本兵は、「食文化の異なる沖縄の人々を、大和民族ではないと見下したことが全ての根源」と語る。 今の私たちの沖縄に関する意識の薄さとと繋がっている。 鋭い指摘にたじろいだ。 戦後生まれの僧侶は、「返還前、アメリカの支配から逃れるには、日本に行くしかない。日本には憲法があり、戦争放棄、軍隊なし、基本的人権尊重、経済的発展がある、と憧れていた。しかし、復帰しても、未だに何も変わらない。戦後のままだ」と言う。 そう、戦後は終わっていないのだ。 沖縄を真の「日本国」にするには、日米双方の市民の強い思いが不可欠、と監督は言う。 それにはまず、沖縄のことを知らなければ…。 私の子供たちも、沖縄といえばリゾートを連想するようだ。 私は戦跡や基地巡りを必ずすることにしているが・・・。 海軍壕の血の匂いを嗅いだ時…。撤去される前の「象の檻」を探し当てた時、嘉手納基地の騒音を耳にした時、普天間基地の長いフェンスにぞっとした時。たとえ一瞬でも、戦中戦後の沖縄を生身で感じる時があれば、沖縄の現状に目を瞑ることはできないのではないだろうか? 目を背けたくなるような凄惨な映像も提示されるが、決して声高に訴えているのではない。 知的で、的確で、濃密。 何よりも沖縄の人々への愛と尊厳が感じ取れる。優しい眼差しに満ちている。 2時間28分の長尺ものだが、全ての日本人はもちろん、アメリカ人、そして世界中の人々に観てもらいたい。 戦争とはどういうものか、自分自身の問題として考えさせてくれるから。  

  • arakitakashi

    4.0

    ベーシックとして知っておく内容です

    たどたどしい日本語のナレーションにやや違和感を感じつつ見始めた。全体を通じて、沖縄問題の論客オールスターという感じであったが、いかにも左派右派の主張押し付けという内容ではなく、安心した。沖縄問題を平均的に理解するための入門的内容と思います。なかでも高良氏はいまも明瞭な意思を提示され、本当に頭が下がる。少なくとも百田氏は一度見たほうがいいだろう。

  • yum********

    4.0

    沖縄の歴史が刻まれています。

    少し長いけど、沖縄の長い戦いの歴史、沖縄が抱えている問題がわかる映画でした。国民全員が関心をもたなけばならない問題だと思いました。

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