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ヴィンセントが教えてくれたこと (2014)

St. VINCENT

監督
セオドア・メルフィ
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3.90 / 評価:1,240件

解説

人生に空虚感を抱き始めた気難しい中年男が、面倒を見ることになった12歳の少年と奇妙な友情を育み、生きる活力を得ていく人間ドラマ。主演は『ロスト・イン・トランスレーション』などのビル・マーレイ、両親の離婚により大人びた少年役のジェイデン・リーベラーが、ビルと絶妙な掛け合いを見せている。監督・脚本を手掛けたセオドア・メルフィは、本作で第72回ゴールデングローブ賞作品賞にノミネートされた。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

アルコールとギャンブルが大好きで、ちょっとクセのあるヴィンセント(ビル・マーレイ)は、隣家に引っ越してきたシングルマザーの12歳の息子、オリバー(ジェイデン・リーベラー)の世話をすることになる。酒場や競馬場へと連れ回し、ろくでもないことを教え込むヴィンセントに反発するオリバーだったが、嫌われオヤジに隠された真の優しさや心の傷に気付いてから、徐々に二人は心を通わせていき……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2014 St. V Films 2013 LLC. All Rights Reserved.
(C)2014 St. V Films 2013 LLC. All Rights Reserved.

「ヴィンセントが教えてくれたこと」大ベテランの魅力再発見!天才子役にも要注目なハートウォーミング・ドラマ

 偏屈老人とひ弱な少年の出会いから、家族のような絆が生まれ、たがいの人生に新たな光をあてる。ハートウォーミングなドラマの定番設定のひとつだ。それだけに主人公のキャラクターもさることながら、それを演じる俳優の魅力が作品の空気感を大きく左右することになる。その事実に改めて気づかせてくれるのが本作だ。

 なにしろ、気難し屋の独居老人ヴィンセントを演じるのがビル・マーレイなのである。酒浸りでギャンブル好き、もちろん女っ気もあれば、古めかしいオープンカーを乗り回す。老人と呼ぶのは憚られるほどのヴィンセントの生臭さが、マーレイが演じるとなんとも憎めないのである。

 しかも、そんなヴィンセントの隣家に越してきた少年オリバーを演じるジェイデン・リーベラーがまたいいときている。12歳にして既に人生のままならなさを悟ったかのような利発さを目元に宿す、その佇まい。ひ弱な少年が、“ちょい悪”じいさんとの交流で一回りたくましくなる成長ストーリーをリアルに響かせつつ、次第に明らかになるヴィンセントの知られざる一面に、胸を熱くさせるのである。年の離れたヴィンセントとオリバーが何気に交わす会話のかずかずが、大人の男同士のようでとにかくグッと来まくり。

 苦味を隠したコメディが終盤、「St.Vinsent」という原題に納得させる感動ドラマに変貌する、脚本も手がけた新人監督セオドア・メルフィの才能もさることながら、リーベラーの今後にも注目せずにいられなくなる。

 だが、そんな天才子役にも食われないのがビル・マーレイ。無愛想な態度の奥に、人生のベテランの懐の深さを滲ませ、エンドロールまでも、ただそこにいるだけで楽しませてくれる「役者の味」。役者の魅力を引き出すのがいい脚本であるということとともに、大ベテランの魅力を再発見だ。(杉谷伸子)

映画.com(外部リンク)

2015年9月3日 更新

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