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パージ (2013)

THE PURGE

監督
ジェームズ・デモナコ
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2.78 / 評価:948件

ロックダウンの世だから感じることも

  • morecambeandwise さん
  • 2020年7月24日 2時12分
  • 閲覧数 353
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

イーサン・ホークが出てくるとなんでもちょっと類型的に見える、というデメリットありますね。設定が奇想天外というか、なかなか意表をついているので、無理筋っぽい話を、それなりにふくらませてうまくまとめた、という感じはあります。

年に1回だけ、殺人を含めた暴力が野放しにされるようになったアメリカ社会。それが人間のもつ暴力性と折り合いをつける唯一の方法なんだ、という理論。実際、犯罪率は減って、経済は成長しているという。

そんな世で、防犯システムのセールスマンのジェームズはなかなかのやり手で、近所に最新の設備を売りつけて今期は売り上げトップ。妻のメアリー、思春期の娘ゾーイ、ちょっとオタッキーな引きこもりのチャーリーの4人家族。今夜のパージに備えてロックダウンの準備。そんな時、街をさまよっていたホームレスの黒人をチャーリーが家に引き入れる。同時にジェームズが交際を認めていないゾーイの彼氏が忍んでくる。ジェームズと直談判をする、と言っていたけど、出会ったとたんに銃をぶっ放す。応戦したジェームズの弾を受けて死んでしまう。

やがて近所のパージに参加したハンターの集団が、今夜の獲物になるはずだったホームレスを渡せと。初めは取引に応じて家族の安全を確保するつもりだったジェームズだけれど、自分たちだけ助かれば、と思っていた家族の気持ちがそれぞれ少しずつ変化し…。という話。

終盤にハンター集団に家の防備は破られ、ジェームズは途中で致命傷を負う。あわややられるかと思ったら助けてくれる第三の集団が。ところがそれはご近所の人たちで、成功しているジェームズの家に対する嫉妬がつのって自ら制裁を加えたいと思っていたのだった。こんどこそ絶体絶命、と思ったら最初に助けたホームレスが助けてくれて、形勢逆転。だけどメアリーは殺しはもううんざりだ、とパージ終了までテーブルに座って平和的に過ごすことを選ぶ。

コロナ禍のロックダウンや、そういう時に弱者がどう痛めつけられるか、を目にしていると、世間がいかに弱いものを最初にターゲットにするか、がよく見えてきますね。そういう時の正当化の心理を、パージ組にうまく語らせて、今の世だから余計にしみる寓話性をもった話になったんじゃないかと思います。

まじめに各キャラクターの心理を追い始めると、チャーリーは親になぜ狩りにいかないのか、とけしかけてみたり、赤の他人を救う行為を独断でやってみたり、やや動機が見えにくいのと、娘のゾーイは父親への反抗要素はともかく、他者への共感、という意味ではあんまり成長を感じず、特に中盤の気絶のシーンの意味が弱かった感じはします。“パージャー”のリーダー役はリース・ウェイクフィールドという人ですが、なかなか物腰が上品なのに血に飢えた狂気を感じさせてなかなか好演でした。個人的には友達になりたくないですが。見た感じが少しMaximo Parkのボーカルの人に似ています。

イーサン・ホークとマット・ディロンは、もう少し仕事のバラエティーを持たせた方がいいんじゃないかと思いますよ。メアリー役はレナ・ヘディー。「ブラザーズ・グリム」でヒロインをやった他、「シャドウハンター」「ジャッジ・ドレッド」などにも出ていますね。若いころのララ・フリン・ボイルをちょっと思わせるクセの強い美女という感じです。あと、終盤に出てくるご近所の旦那役でクリス・マルキーの名前があって、「ツイン・ピークス」の最初のシリーズでノーマの旦那のハンク役を演じた人でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

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  • 恐怖
  • 絶望的
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