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アクトレス ~女たちの舞台~ (2014)

SILS MARIA/CLOUDS OF SILS MARIA

監督
オリヴィエ・アサイヤス
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3.39 / 評価:301件

クリステン・スチュワートの不思議な魅力

  • yab***** さん
  • 2016年9月28日 22時05分
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

 「あなたは人間として完成され、女優としても円熟している。なのに若さの特権にしがみつく」。
 「若さを望まなければ、老人扱いもされないわけ?」
 ベテラン女優のマリアとマネージャーのヴァレンティンの会話。
 この2人が醸し出すミステリアスな雰囲気がこの作品の肝。円熟味は増したが、尚もデビュー作の女優気分が抜けないマリアと、一回りも二回りも年上のマリアに対して、歯に衣を着せぬ言いっぷりのヴァレンティン。
 スイスの絶景シルス・マリアで見られる超常現象「マローヤのヘビ」。湖から不思議な雲がもくもくと湧き上がり、ヘビのごとく通り過ぎる・・・。若い女性と中年の女性経営者との悲劇を描いた、同名の「マローヤのヘビ」の戯曲がマリアのデビュー作。そして再演の話。今度は自殺した女性経営者の役として。
 マリア役のジュリエット・ビノシュの女優としての葛藤なり焦燥はとてもわかりやすくてべたなのだが、ヴァレンティン役のクリステン・スチュワートのわかりにくい女心の揺れに軍配を上げたい。
 マリアの再演作である、「マローヤのヘビ」の役作りをサポートしていたヴァレンティンが、シルス・マリアで忽然と消えるシーン。マリアの心を映す鏡が、ヴァレンティンだったというオチにならずとも、このミステリアスな展開
が心を揺さぶる。クリステン・スチュワートの不思議な魅力が浮き上る。
 そこに、いわば冷徹なクロエ・グレース・モレッツが、マリアがかって演じた役として突如として表れ、思い入れのない真っ白な気持ちでマリアに接する姿が、これまたミステリアスだ。
 苦悩にさいなまれて限界に達していたのは、実はマリアではなく、それを優しく受け止めていたヴァレンティンの方。
 「マローヤのヘビ」がその心の闇自体を覆い隠していく。その様を映像化したオリヴィエ・アサイヤスが仕掛ける映像が美しい。
 何かを予感させたヴァレンティンの靄の中の山道のドライブが印象的。ジュリエット・ビノシュは実はいつもの彼女。しかしながら、クリステン・スチュワートには、ただならぬ戦慄を感じてやむことがなかった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
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