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アクトレス ~女たちの舞台~
2015年10月24日公開

アクトレス ~女たちの舞台~

SILS MARIA/CLOUDS OF SILS MARIA

PG121242015年10月24日公開

koi********

5.0

凛とした気概、老いと対峙する女優

「夏時間の庭」「パリ・ジュテーム」のオリヴィエ・アサイヤス監督が、ジュリエット・ピノシュ自身の企画を脚本に書き下ろし、キャリアに葛藤する大女優の生き様をスイスアルプスの息をのむ絶景を背景に描く人生ドラマです。 原題の「SILS MARIA」は劇中の山荘がある景勝地の地名です。 若い女優時代に抜擢してくれた劇作家の功績を称える授賞式に本人に代わって出席するために特急列車でチューリッヒに向かう大女優のマリア(ジュリエット・ピノシュ)。 劇作家からはマリアが抜擢された舞台劇「マローヤのヘビ」の題名の由来になった景勝地シルス・マリアに授賞式の後、来るように指示されていましたが列車での移動中に劇作家が71歳で亡くなったとの知らせが入ります。 授賞式後のパーティで新進の演出家クラウスからリメイク版の舞台劇「マローヤのヘビ」への出演依頼を受けますがオファーされた役は昔演じた主役のシグリッドではなく、シグリッドに翻弄され自殺に追い込まれる中年社長ヘレナの役でした。 悩んだ末に出演を受けたマリアはマネージャーのヴァレンティン(クリスティン・スチュワート)と一緒にシルス・マリアの山荘にこもり、役作り役作りに没頭しますが…。 「容赦なく流れゆく時間と対峙する女優の葛藤」というジュリエット自身の企画と、「過ぎ行く時間」をテーマにしているオリヴィエ監督の脚本と演出が見事に融合した秀逸な作品に仕上がっています。 第一章の授賞式で、セクシーなシャネルのドレスに身を包み大女優として振る舞う美しいマリアと第二章で山荘にこもり、坊主頭のような短髪、殆どノーメイクで悩みながらヴァレンティン相手に役作りするマリア。そして第三章、凛とした気概でリメイク版の舞台のオープニングに臨むマリアの風貌と心理状態の変化の演技が凄かったです。 舞台デビューからキャリアをスタートしたジュリエットの面目躍如、最近やさしいお母さん役が多かったけどこういう役こそ際立ちますね。 もう一人ヴァレンティン役のクリスティ・スチュワートも大女優にビシビシダメ出しをして自分の意見をぶつける頭の良い美人マネージャーを見事に決めていました。 「アリスのままで」の次女リディアが成長したその後の様で面白かったです。

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