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カミーユ、恋はふたたび (2012)

CAMILLE REDOUBLE/CAMILLE REWINDS

監督
ノエミ・ルヴォウスキー
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3.43 / 評価:90件

解説

第38回セザール賞にノミネートされ、カンヌ国際映画祭でも上映されたドラマ。夫の浮気などで人生に行き詰まりを感じている中年女性が、学生時代にタイムスリップしたのを機に自身やそれまでを見つめ直す。監督と主演を務めるのは、『マリー・アントワネットに別れをつげて』などのノエミ・ルボフスキー。『潜水服は蝶の夢を見る』などのマチュー・アマルリックらが共演。ユーモラスな物語はもちろん、ちりばめられた幸せをつかむためのヒントも見どころ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

人生の折り返し地点を迎えるも、さえない日々を送っているカミーユ(ノエミ・ルボフスキー)。猫と酒に癒やされる中、25年も連れ添った夫に若い愛人がいることが発覚、さらに彼から離婚を切り出される。そのショックから立ち直ろうとパーティーではしゃぐ彼女だったが、泥酔した上に昏倒(こんとう)してしまう。目を覚ますと、彼女は自分が中年の状態で10代の学生時代にタイムスリップしていることに気付く。容姿が中年であるにもかかわらず誰も不思議がらないことに違和感を抱きつつ、青春を再び謳歌(おうか)しようとするが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2012 F comme Film, Cine@, Gaumont, France 2 Cinema
(C)2012 F comme Film, Cine@, Gaumont, France 2 Cinema

「カミーユ、恋はふたたび」40歳から15歳へ逆戻りしたヒロインの可愛らしさに、誰もが元気をもたらされるはず

 ノエミ・ルヴォウスキーは、日本での一般的な認知度は低いかもしれないが、フランス映画好きにはたまらない、まるで「良質な作品」の代名詞のような存在である。いわば彼女が関係している作品なら、品質は保証済み。女優として、地方の保守的な母親から、辛辣なユーモアに富むインテリのマダムまで、どんな役柄もこなす名バイプレイヤーであると同時に、国立映画学校出身で、脚本家としてアルノー・デプレシャン、フィリップ・ガレル、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキらとコラボレーションを行いつつ、自身も監督作を多数発表している。しかし彼女の素晴らしさは、そんな経歴を持ちながら、決して作家主義を振りかざすわけでも、映画マニア向けのカテゴリーに留まるわけでもない、自由で多彩でおおらかな魅力に満ちた作品を作ってしまうところにある。本作もフランスではほぼ90万人の動員を集めた大ヒット作となった。

 ルヴォウスキーが自ら演じるヒロイン、カミーユは40歳。女優になるはずがエキストラで毎日を食いつなぎ、猫とお酒が心の支えで、学生時代に大恋愛の末結びついた夫からはついに離婚を言い渡される。そんな四面楚歌の彼女が、大晦日のパーティで酔いつぶれて目を覚ますと、なんと15歳に逆戻りしている。自分の目には昨日と変わらない外見なのに、どうやら他人には可憐な少女に映っているらしい。

 ここからがルヴォウスキーの本領発揮だ。それならば失敗した自分の人生をここで変えてやる、と、十代の青春を生き直そうとする。果たして彼女は未来を変えることができるのか、という「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的なプロットがもたらすスリルとともに、いくつになっても恋に不器用なヒロインの可愛らしさに、こちらは知らず知らずのうちに引き込まれていく。実際、40歳から15歳へ、ふつうに考えればかなり無理のある設定を、ウィットたっぷりにパワフルに演じきってしまうルヴォウスキーの姿(ロック・バンド、クラッシュのTシャツに水玉のフレア・スカートというかつての原宿的装い!)は、同性なら誰もが元気をもたらされるに違いない。ちなみにアラフォーの観客なら、懐かしのヒット曲を耳にする楽しみもあるはずだ。

 過ぎ去りし日の弾けた自分を再体験したカミーユの、ラストで映し出されるその後ろ姿が、多くの余韻をもたらしてくれる。(佐藤久理子)

映画.com(外部リンク)

2015年10月29日 更新

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