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ヒトラー暗殺、13分の誤算 (2015)

ELSER/13 MINUTES

監督
オリヴァー・ヒルシュビーゲル
  • みたいムービー 174
  • みたログ 750

3.34 / 評価:515件

分断される世界。希望なき未来。

  • sou***** さん
  • 2019年7月5日 9時56分
  • 閲覧数 970
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ミュンヘン一揆を回顧するため、ビアホール「ビュルガーブロイケラー」で例年行われるヒトラー演説。その演説を狙った暗殺計画が題材。

のっけから失敗で始まる。
この映画は、暗殺計画を失敗した男に対する尋問や拷問の間に、男の回顧を挟む構成。一介の職人が、何故、暗殺計画を練り実行出来たのかを描く。


回顧の中で、ナチスの台頭と共に村は分断され、ユダヤ人の排斥が始まるシーンが描かれる。ナチスの旗が揺らめく風景に至るまでの村の変化は、僕の疑問に応えるものだと思う。

「勤勉で真面目」というステレオタイプなイメージが、僕の思うドイツ人気質だ。馬鹿げた思いかもしれないが、「日本人らしさ」なんて見方もあるわけで、災害の時に大きな混乱なく行動する事などは海外から賞賛され誇りでもある。
そんな目線で感じる「勤勉で真面目」な彼らがナチスを選んだ理由が、僕にとって結構な疑問なのだ。もちろん、ヒトラーは何度も暗殺の標的とされたわけで、反対勢力もいた。だが、ナチスは選挙に勝利し、結局は世界を巻き込む大惨事を引き起こした。具体的に、どのように政権に辿り着いたかは、既にいろんな書籍もあるのだけど、反対派の庶民はどのように行動したのだろう?

主人公は、強い意志を持ちながらも、職業はまさしく庶民である職人だ。科学者でもなければ、政治的過激派とも言えない。
ただ、彼の目に映る光景は、排他的な恐怖政治が支配する世界と、戦争へ突き進む祖国だった。政治思想は周りの反体制派よりも希薄でありながら、ナチスの生み出す世界に対し、閉塞感を持つ姿が描かれる。

そんな彼のとった行動は、一介の職人にしては大それたもので、個人の行動力を凌駕するようなものだった。

失敗した暗殺計画に対し、当然ナチス党局はテロ首謀の黒幕の存在を想像する。そもそも、どうやって爆弾を作れたのか?そこから疑問はスタートする。激しい尋問を繰り返し、黒幕を探っていくも…。奇妙な事だが、ナチスの尋問を介して、男の人となりが解ってくる。当然、尋問など見たくもないのに…。

僕は、この映画について、暗殺計画がどうのこうのよりも、ナチス政治による社会変化のシーンを興味深く見た。
一個人の行動原理についても考えるところがあった。つまるところ、僕は世界に名を馳せるような人物よりも、小さな存在だが偉大な行動をする人に興味を持ち、場合によっては尊敬する。
この辺りに関して、結構オススメ出来る映画じゃないか、と思う。

また、映像は美しい。撮影そのもののレベルが高いんじゃないかなぁ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 恐怖
  • 絶望的
  • 切ない
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