レビュー一覧に戻る
信長協奏曲(のぶながコンツェルト)
2016年1月23日公開

信長協奏曲(のぶながコンツェルト)

1252016年1月23日公開

kyo********

1.0

コレハヒドスギル・最悪の時代劇

邦画にはどうしてこうタイムスリップ物が多いのか。一つ簡単に答えるなら、安易、安直な作りでも許されるからだ。 歴史観は今の人間を反映している。現在と切り離して「歴史の真実」を描くのはイデア論のようなもので誰もできはしない。だから歴史を覗き見る、歴史を描く作品は所詮は「仮象」であるという前提が成立する。 そこにタイムスリップ物が入り込む余地がある。現実にはあり得ない荒唐無稽で支離滅裂な話も許される。今様な価値観で彩り、人気俳優を配して予定調和させればそこそこ興行できる。平成時代に特に多くなった。 その手法に縛られながらも苦闘して成功している作品も例外的にはある。 中古になった「信長もの」を2本続けてみた。『本能寺ホテル』はそこそこに出来ていた。いっぽうこっち信長はダメだ。見るべきところがない。「見せ場」であるはずの合戦シーンでさえ早送りした。 笑いも涙も感動も得られない。やたら登場人物が笑ったり怒ったり泣いたり感動したりしている。 歴史は現在の視点からでしか見ることはできないし、描くこともできない。しかし同時にわれわれが実存しているように過去の人々も同様に実存していたのである。その実存性が欠片も表現されていないから、登場人物の喜怒哀楽がまったく伝わってこない。 せっかく多くのエキストラを使った合戦シーンも、歴史の実存を描く気合が希薄だからさえない。考証や美術など映像にも魅力がない。

閲覧数1,682