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人生の約束 (2015)

監督
石橋冠
  • みたいムービー 271
  • みたログ 1,456

3.38 / 評価:1,156件

様々な想いのいっぱい詰まった名作

  • koi***** さん
  • 2016年3月14日 1時25分
  • 閲覧数 1935
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画もなぜかあまり流行らなかったとか。
かく言う自分も、最終日に観たのですが・・・
なぜこんなにも遅れてしまったのか。個人的には、宣伝で使われた、西田敏行さんの「失くしてから気づくことばっかりやな…」といったセリフがあまりにも使い古された定番のセリフのように感じられ、ありきたりな普通の映画なのかなとの先入観を持ってしまったことによるように思う。

ところが、想像をかなり上回る映画で、こんなことならさっさと観ておいて
終わりかけにもう一度観ておけばよかったと後悔しても後の祭り。

各登場人物の心情の動きを追っていくことのなんと楽しいことか。
しかも、決して説明されすぎないところがいい。
それぞれのキャラクターの立場に身を置くよう努め、考え、感じれば見えてきますよ っていう描き方。

誰をひいきするのもはばかられるけども、やはり興味深かったのは中原(竹ノ内豊)とその親友航平(実体としての出演者はなし)、航平の娘(瞳)の3者の心情。
他には隣町の町長さんがなぜ約束を反故にしてまで、早急に曳山を欲しがったのかといった心情。語られないのに、映画から痛いほど伝わってくる作りが心憎い。航平が声だけの出演なのもよかった。なんたって主人公の「親友」役なのだ。誰しも思い当たるであろう、少しの行き違いで疎遠になった親しき友の姿が目に浮かぶ。

父の死の一因と伯父が罵った中原に、最初からなついている瞳。
どうでもいいと言わんばかりに強がっていても、本当は父ともっと仲良くしたかった。その思いを、中原に託す瞳、受け入れる中原。父への思いが昇華され、「あの人」が「お父さん」に変わった時、瞳が抱きしめたのは中原だったのか父だったのか。繊細すぎて泣ける・・・

このように、クライマックスへ向け様々な思いが「繋がり」を見せたとき、
冒頭の「失くしてから気づくことばっかりやなあ」という言葉は変化を見せる。すなわち、失くしたものをそっくりそのまま取り返すことはできないが、その大切なかけらのいくらかは取り戻すことができる といった希望のメッセージこそが、本当にこの映画で描きたかった事なんだろうなと。

曳山のシーンは単なる見世物ではなく、必要不可欠なシーンとして心を打つ。

確かに流行りの少女漫画原作の作品ではないし、大きなヒットはしないのかもしれない。とはいえ、こういう映画も残していってほしい。
自分が30歳台だからかもしれないが、over30歳というジャンルが成立してほしいと願わずにはいられない。
30歳以上の紳士淑女の方々、もっと映画観ませんか?

最後に書くのは気が引けるけど、瞳役の高橋ひかるさんが奇麗だった。
今後演技の幅を広げ、いつか主演をされる方だと思うが、こういうしっとりとした日本映画の情緒も大切にしてほしい。よく映えるから。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • スペクタクル
  • 切ない
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