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私はゴースト (2012)

I AM A GHOST

監督
H・P・メンドーサ
  • みたいムービー 7
  • みたログ 46

3.14 / 評価:37件

芸術性を感じるサスペンス映画

  • bea***** さん
  • 2016年4月29日 2時08分
  • 閲覧数 496
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

主人公のエミリーを演じるのはアメリカで活動しているイシダ・アンナという女優さん。
東京で生まれその後サンフランシスコで育ったらしい。
彼女のホームページを見ると舞台女優としての経験の方が多いようで、この映画の演技を見てみると確かに映画やTVドラマというよりも、舞台向きの演技が体に染み付いているようだ。

ゴーストからの視点で描かれた映画を見たのはこれが初めてでとても斬新だった(ニコールキッドマンの「アザーズ」とはちょっと違う)。
主な登場人物は主人公のエミリーとその家族、霊媒師、悪魔である。
しかし画面に映るのはエミリーと悪魔だけで人間は霊媒師の声のみで。一般的な映画とは真逆の構図なのだ。これはとても面白いアイデアだ。

人によっては凄く退屈なシーンかもしれないが、映画の序盤は同じシーンが何度も繰り返される。これにはちゃんとした意味がある。
何故ならそれがゴーストとなったエミリーの日常だからだ。
霊媒師に教えられるまで自分は生きた人間だと思っていたが、その後自分がゴーストだと自覚し、そしてその苦しみから抜け出し成仏したいという想いが生まれてくる。
霊媒師と会話しゴーストとなった自分を客観視することで自分はどういう人間なのか(だったのか)、そして何故死んだのかが徐々に明らかになっていく。

映画全体を通して見てみるとスタンリーキューブリックのようなカメラワーク、ミヒャエルハネケの「71フラグメンツ」のようなカット割り、どことなくダリオアルジェントの「サスペリア」ような雰囲気も感じられる。

自分自身では気付く事のない自分を他人に気づかされることで分かる事実。

人は誰しも自分の中にもう一人の自分(善の自分と悪の自分)が存在し、自分以外の誰かによって今の自分を見つめ直すのである。
そして同じことが日常的に繰り返される生活(パターン化された死の世界)から、より良い世界(生を感じることのできる未知の世界)へ移行することで日々の苦しみから解放されるのである。

どこか切ないけれども「今の自分や今の生活を見直しなさい」というメッセージが込められているような作品だと感じた。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 不思議
  • 恐怖
  • 知的
  • 切ない
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