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ハッピーアワー (2015)

監督
濱口竜介
  • みたいムービー 68
  • みたログ 140

3.25 / 評価:96件

人間関係は起き上がり小法師

  • gin***** さん
  • 2015年12月25日 2時07分
  • 閲覧数 2097
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

2015年に観た中で五指に入る良作だった。
30代後半の女性4人が、友情という名のイビツで可変な四角形の重心を探りつつ、それぞれ家庭や仕事で抱えている問題と向き合っていくという話。

212分の『ベン・ハー』や237分の『愛のむきだし』を大幅に超える 317 分という長尺で、それほどテンポが良いわけでもなく、特に大きな事件が起きるわけでもない。
それなのに不思議と全く飽きさせないのは、それまで演技経験のなかったという主役達の淡々とした演技が、まるでドキュメンタリーを観ているかのような緊張感をもたらすからだろうか。
主役の女性達が参加する “重心に聞く” というワークショップや小説の朗読会など、省略せずにフルレングスをほぼそのまま見せていると思われる箇所が散見されたが、それによって観客は否応無しに没入せざるを得ないというのもあるかもしれない。

そして、演技は終始控えめである一方で、セリフはリアルさを保ちつつもよく練られており、失念してしまったがいくつか印象的な言葉もあった。

オトナってこんなにも感情的で、わがままで、カッコ悪いなんて、子どもの頃にも表面的には知っていたけれど、ここまでとは。
現状に完全に満足している人なんて、一体どれぐらいいるのだろうか?
「ここだ」と思っていた自分の重心や、自分と他者との間の重心は、本当はそこではないのかもしれない。
それを確認するためにも、定期的に揺らして探り合う作業が必要だな。
満員御礼のためふかふかの席にはありつけず、補助席の粗末なスツールに何度も座り直し、悲鳴をあげる尻をさすりながら、そんなことを思った。

まだ家庭を持たない20代のあなたも、迷走する30代のあなたも(僕のことだ)、もう落ち着いてしまい、確固たる重心に腰を下ろしていると思っている40代のあなたも。
男性も女性も、上映時間の長さに臆さず観てみてほしい(3部に分かれてます)。
そしてやいのやいの感想を言い合いたい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 知的
  • 切ない
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