擬人化の乱用 /人種隔離問題
- GODOFGOD さん
- 2016年8月12日 14時12分
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- 役立ち度 17
- 総合評価
THE SECRET LIFE OF PETS (2016:アメリカ)
監督:クリス・ルノー /ヤロー・チェイニー
脚本:ブライアン・リンチ /シンコ・ポール /ケン・ダウリオ
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※同時上映の短編映画『ミニオンズ:アルバイト大作戦』の感想は別項目
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【感想】
アジア市場を意識した企画内容と、米国共和党寄り(日本右寄り)な内容のしつこさに終始退屈した。シネコン大箱の牛耳りと過剰な宣伝は、凡庸な内容に比例せず。
本作の動物たちの比喩は、家族のいない孤児。里親のもとで平和に暮らす犬のもとに突然の招かれざる客ならぬ犬。自分の居場所を守るためにその新たな巨大な犬の追い出し計画、やがて友情が芽生え、もとの鞘に収まる話。
子供向けにはこの程度で十分だが、大人にはその狙いが透けて見えると楽しいという感情は生まれない。
・終始、縄張り争いの話
・食肉問題(犬猫) →ブラック過ぎるユーモア(ソーセージの件)
・共和党トランプ氏の「メキシコの壁」発言問題を想起させる人種隔離思想
・他社盗作&潰し →ディズニー潰し&X-MEN潰し
・使い古しの引用シーン →『グリース』『トイ・ストーリー』『ダイ・ハード』『マトリックス:リローデッド』『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』他
・外の世界→殺処分 →右翼思想(テレビ番組で見かける「外国は危険」という洗脳)
・“カワイイ”の乱用 →スノーボール(ウサギギャング)、ベンチでサンドイッチを食う男に対してのマックスとデューク
・タレント吹替問題 →永作博美◎(プロ並み)。佐藤栞里○。 バナナマン(設楽△/日村X)
(星評価には入れません)
水槽(国家/プロパガンダ) に捕らわれた魚(精神) を大海(視野)に解放(拡大)する映画もあれば、ペット(奴隷/従者) を主の家(国家/縄張り) に閉じ込め思想誘導する映画もある。真逆の内容。
カゴの鳥はカゴへ、犬(従者/信者)は愛する主(主君/神)の元へ、という寓話。
エンドロールでは、日本の某広告代理店とフ〇テレビのクレジットを発見!
事前には誰かに都合のいい印象操作(洗脳) →「バス」と「障害者」
※2016年8月11日(木・祝)公開の『ペット/ミニオンズ短編』『X-MEN:アポカリプス』『ジャングル・ブック』、先行上映『ゴーストバスターズ』はいずれも人種問題を取り扱った作品。
日本の映画興行界が意図的に同じ日付にしたのだろうが、私個人としては「本作」はオススメできない。
ノーベル賞作家自身の体験記を基にした『ジャングルブック』の差別論争(誤解/政治工作)を、意図的にトレースした『ペット』。前年度から敷いた植え付けによってユニバーサル&日系企業の狙い通り、本家の方が内容変更を余儀なくされるという混沌とするハリウッド。
《総評》
何も考えないで観た方がいいです。
本物の犬は好きだが、卑しい作りもののそれは、残念ながら純朴な犬には見えなかった。
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