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パスポートのない女 (1950)

A LADY WITHOUT PASSPORT

監督
ジョセフ・H・ルイス
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4.00 / 評価:2件

撮影技法の面白さ

  • rup***** さん
  • 2021年4月25日 13時43分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

冒頭、ニューヨークの街路を歩く1人の男を車の中からカメラで追い、車中の男と話を交わしたその男が走って逃げ、通りかかった別の車に激しくぶつかって倒れるまでを、まるでドキュメント映像のようにワンカットでヴィヴィッドに映し出す臨場感溢れる導入部。

車に衝突した男が不法入国者であることが分かり、アメリカへの不法入国の斡旋を行っている組織の実態を調査するために、潜入捜査官としてアメリカ移民帰化局の職員ピート(ジョン・ホディアク)が、当時まだ革命前のキューバにやってきます。

ピートは、斡旋組織の元締めであるパリノフ(ジョージ・マクレディ)に接触することに成功。
さらに、パリノフの手を借りてアメリカへ渡ろうとしている美貌の女性マリアンヌと出会い、彼女に惹かれていきます。

マリアンヌを演じているのが美女ヘディ・ラマールで、最初は、後ろ姿のみを映し、ちょっとタメをつくってから顔を見せるというのが粋な演出。
ユダヤ人である彼女がシガレットガールとして不法就労しようとしている場面での露出度高めの衣装が魅惑的であると同時に、腕に刻印された囚人番号が何とも痛ましい。

後半は、アメリカ入国を希望する者たちを輸送するパリノフ一味に対する追跡劇が中心となりますが、パリノフ一味と移民たちの搭乗している航空機が追跡を逃れるために強行着陸し、中から搭乗者たちが出てきて、1人が殺害され、パリノフらがマリアンヌをボートで連れ去るまでの一連の流れを上空を旋回している飛行機から撮影するというのも凝っているほか、終盤の濛々と霧の立ち込めるなかでの対決シーンも雰囲気があります。

また、酒場では目の覚めるようなダンスシークエンスがあり、前景にピアノ弾きやコンガを叩く男をシルエット風に映し出し、その奥に女性ダンサーを配置してライトを当ててスタイリッシュに見せるセンスもなかなかのもの。

不法移民問題を題材として扱っているのが今観ても新鮮ではあるもののあまり深掘りはされず、ピートとマリアンヌのロマンスもありきたりでストーリーが平板なのと、マクレディが敵役としては迫力不足なのが難点かなと思いましたが、前年にカルトな話題作「拳銃魔」を作ったジョセフ・H・ルイス監督だけあって、小品ながらも随所に工夫が施された映像が楽しめる作品になっています。

〈フィルム・ノワール ベスト・コレクション(8枚組)所収のDVDで鑑賞〉

詳細評価

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